「僕はこの仕事で
日本一になってみせます!」
「そう,それはすごい話だね。
で,それはいつ?」
「いつかはそうなります!」
「えっ?いつかは?」
「そう,いつかはなりますよ!」
というような会話を
したことはありませんか?
よくテレビのドラマで
「いつかは成功してやる!」
と夕陽を見ながら叫ぶ
というような場面があります。
「いつかは成功してやる!」?
その場面は,それまでに
感情移入ができるようなしかけが
いろいろとされているので,
まあ,それなりに感動します。
でも,ちょっと
冷静に考えてみれば,
「いつかはできるようになる」
というのは,ものすごく
説得力がない話です。
あなたの仕事で,
「あなたはこの仕事ができますか?」
「はい,いつかはできるようになります。」
なんて誰かに言われると,
「へえ?いつかは?なに,それ。
『いつかは』っていつ?」
と思ってしまうわけです。
「いつかは」っていつ?
たんなる自分の願望というか
ぼやーとした将来の希望というくらいの話なら
「いつかは」
というのはかまいません。
でも,現実の仕事になると
「いつかは」
というのでは,話になりません。
仕事にはかならず期限があります。
あるいは締切というのがあります。
かならず「いつまで」という
時間の概念がはいってきます。
「いつかは」というのは
時間の概念が抜け落ちています。
「いつかは」ではなく「いつまでに」
現実の生活,現実の仕事では
時間の概念がものすごく重要です。
時間というのが,有限で貴重なものである。
そういう考え方でないと
人の信頼というのは得られません。
人生にもしっかりと期限はあります。
人間,必ず死にますから。
たとえば,短めに考えて,
70歳で死ぬと仮定したら
私などは,あと10年ちょっとです。
少し話が大きくなりすぎましたが
たとえば,仕事をお願いする方も
かならず締切を明確にしないといけません。
「これをお願いします。」
ではなくて,
「これを明日の正午までにお願いします。」
「これを3日後の16時までにお願いします。」
というように期限を明確にすることです。
期限を明確にする=時間を大切にする
そうすることで,お互いの時間というものが
大切にされることになります。
逆に締切があいまいな場合
「これをお願いします。出来るだけ早くね。」
この依頼方法では,よくわかりません。
「出来るだけ早く」
というのは具体的にどのくらい急いでいるのか?
「2時間で仕上げるべきか?」
「今日中でいいのか?」
「明日の朝でもOKか?」
こういうことを考えるだけでも時間の無駄です。
「これをお願いします。時間のある時でいいよ。」
これも同じことですよね。
「時間のある時でいいよ」
って言われたら,私などは,
「そうですか。私にはそんなに時間はないので。」
ということで,ずっとほったらかしにします。
時間のある時でいいよ?
それで,
「ええっと,あれはどうなった?」
と尋ねられたら,
「ああ,あれはまだ時間が取れないので
やっていません。いつまでに必要ですか?」
と初めて聞くようにしようかなと思うぐらいです。
もちろん,実際には,
「時間のある時でいいよ」
と言われたら。
「じゃあ,半年後くらいでいいですね?」
って聞きますね。そうすると
たいていは,びっくりした顔をされて
「いやいや,それでは困るんだよ。
じゃあ,1週間でお願いするよ。」
とか言われます。
期限は,はっきりと正確に伝える
本当は,お願いする側にも
きちんとした時間の概念はあるんです。
ただ,それを伝えていないんですね。
伝えていなければ,わからない,
これは当たり前のことです。
「そんなこと,雰囲気でわかってくれよ!」
という人が日本人には多いそうです。
もちろん,日常のちょっとしたことなら
それでもいいと思います。
でも,実際の仕事では,それでは,
お互いの認識がずれまくってしまいます。
認識がずれまくっています
「明日までにお願い!」
といったつもりが
「1週間後でいいんだな。」
と取られてしまうということです。
こういうことがよくありますよね。
すこしだけ,言葉を丁寧に,言葉を正確に
補足するだけで回避できる問題です。
冒頭の「いつかは成功します」
というのを,そのまま認めているようでは
なかなか本当の成功はおぼつかない
そういうことのようです。
ということで,
今日も最後までお読みいただき
ありがとうございました。
ムッシュスカラー
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