後輩を指導する時に
あるいは、子供を育てる時に
ついついやってしまうことがあります。
それは教えすぎてしまうことですね。
教えすぎると、人間は、
どんどん馬鹿になっていくと言われています。
なんでも、聞けば教えてくれる、
誰かに聞けばいい。
自分で勉強する必要はない。
そんなところでしょうか?
誰かに聞けばいい?
行動するときもそうですね。
「上司に言われたからやった。」
「先輩から言われたからやった。」
「本にはこう書いてあった。」
そこには、自分で考えて、自分で決める
そういうものが入ってきません。
このように、人に依存する姿勢が、
あたりまえになってしまうと
いざというときに、パニックになって、
考えが止まってしまいます。
いわゆる「思考停止」ですね。
特に大きな会社では、
よくあるパターンです。
「これでいいですか?」
何をするにしても、上司の承認がないと
動くことが出来ないのが普通になります。
そのパターンに慣れてしまうと、
常に「これでいいですか?」と
誰かの承認を得ないと何も出来なくなります。
自分では何も判断できなくなりますね。
特に、自己判断で、何かをやったときに、
「なぜ、そんな勝手なことをした?」
と、上司からこっぴどく叱られたりしたら、
「もう二度とやらない!」
なんて気持ちになるのは、とても自然なことです。
なので、自分の責任で、
自分の考えで、自由にやっていきたい
そう思う人は、会社を辞めて、
フリーで働くようになる事が多いですよね。
自由にやりたい人はフリーになる
ちょっと話が、それました。
教育、指導、育成という話でしたね。
この教育、指導、育成という時に
知識を詰め込むのは、もちろん大切な事です。
先輩、上司が、これまでどうやってきたか、
その情報を頭に入れることは大切です。
それは否定はされないと思います。
ただし、得た知識をベースにして
「自分で考え、自分で決断する。」
そして、自分でリスクを負って行動すること、
つまり、誰かに判断してもらうとか、
誰かについていくのではなくて
「自分の頭で考えて、自分で判断する」
ということについては、
もっと重視されるべきなのかなと思います。
自分の頭で考えて、自分で判断する
物知りだけど、その知識を
生かすことが出来ないという人は
いっぱいいらっしゃいますね。
「へえ、そんなことまでご存知なんですか。すごいですね。」
ということは、よくあるのですが、
「うわあーっ、あなたの決断力は、すごい。
どうしたら、そんな決断が出来るんですか。」
と感じる人に出会うことは、とってもまれです。
自分で、リスクを取って、厳しい決断をする。
なかなか出来る事ではありません。
そういうところにこそ、人は魅力を感じて、
ついていきたいと思うのでしょうね。
世の中の9割以上の人は、
誰かについていきたいと思っているそうです。
そして、残りの1割以下の人が、
大勢の人から、ついていきたいと
思われる人達ということです。
9割の人達は誰かについていきたいと思っている
人を育てる時には、やはり、
この9割の人達ではなく、
1割の人をお手本にして、
指導していくといいでしょうね。
誰かに依存するのではなく、自立する人を育てる。
もちろん、最初から自立というのは無理なので
最終目標としての自立を目指すということです。
これは人を育てる時に、間違ってはいけない
けっこう重要なポイントだと思います。
世間の多くの人の見解は別として、
他人に依存し続けて、自立しようとしない人を
たくさんつくるという考え方は
あまりよいとは思えません。
そして、それは子育てでも同じですね。
親離れ、子離れが出来ない
そういう親子関係がとっても多いのは
今の社会と相似形ということだと思います。
親子関係と社会は相似形
誰かに依存するのではなくて、
自立した人間を育てることができること
それが、あなたにとっても、
もちろん育てられている側の人にとっても
よいことであるのは、まちがいありません。
ムッシュスカラー