エントロピー増大の法則にあらがう

「エントロピー増大の法則」
というのを、聞いたことはありますか?
たぶん、高校くらいの
物理か、化学で習ったと思います。

自然界というのは、常に
乱雑で、無秩序な状態に向かって
進んでいくということです。

ちなみに、「エントロピー」という
学術用語については、
もっと、厳密な定義になると、
「熱力学の第2法則」とか、
数式で証明されるものらしいです。

ただ、私には、
そこまでの理解はありません。

それよりもむしろ、
自分が、自然に感じることとして、
「エントロピー増大の法則」
つまり、秩序ある状態が、何もしなければ、
無秩序な方向に進んでいくというのは
常に成り立っているなあと感じています。

なにも、自然というような
大きな話でなくても、
一人の人間で考えてみたら
よくわかる気がしませんか?

一人の人間で考えると…

人間というのは、
何等かの努力をしている間はいいですが、
その努力をやめてしまったら、
あっというまに、ダメになっていきます。

それも、まさに「エントロピー増大の法則」に
かなっているなあと思います。

たとえば、
仕事をしている人、
家で、家事をこなしている人、
学校に通っている人、

こういう人たちは、必然的に、
やらなければならないこと
というのがあります。

いやでも、それらの行動を
こなしていくことが要求されます。

エントロピーを増大させない行動

これらは、「エントロピー増大の法則」を
意識しているわけではないですが、
客観的に見れば、
エントロピーが増大しないように、
日々、行動しているということになります。

地域社会で言えば、
ゴミの収集、ゴミの廃棄、
警察、消防、救急、
こういう公共サービスも
まさに秩序を保つために
日々行われていることです。
やはり、エントロピーの増大を防いでいます。

これらが実行されなくなると
あっという間に、無秩序な
乱れた世界になってしまいますね。

このような秩序維持のための
日々の行動というのは、
手を抜くことはできませんね。

エントロピーは増大しやすい

ただ、人間というのは、
なかなか厄介なもので、
どうしても慣れてくると
手を抜いてしまう生き物です。

そうすると、それまで
何とか、あらがうことができていた
「エントロピー増大の法則」に
自動的にあらがえなくなってしまいます。

おそらく、あなたも、私も、
ほとんどの人が、そうです。

人というのは、
毎日、同じことをしていると
飽きてくるものです。
そして、自然と、無意識に、
手を抜くようになっていくものです。

自然に手を抜くようになっていく

というか、慣れて上手になることで、
最初は、失敗しないように、
しっかりと意識していたことを
徐々に、意識しないようになります。

もちろん、それがすべて悪いこと
とは言い切れません。

意識しなくても、高いレベルの行動を
ずっと継続していれば問題ありません。
なかにはそういう人もいます。

ただ、残念ながら、普通の人は、
徐々にレベルは下がってくるんですね。
これは避けられない事実です。

この
「無意識に、レベルが下がっていく」
結果として、秩序ある状態が
無秩序な状態に移行していく、
これが
「エントロピー増大の法則」
ということです。

無意識にレベルが下がっていく

このようなことが、
しらない間に起きるというところが、
まさに「自然の法則」
といわれる理由ですね。

なので、どれほど、
優秀な組織であっても、
単に「今まで通りでよい」というような
目標設定では、現状維持は難しいですね。

少なくとも、今のレベルよりも
少しでも上をめざすという
向上のための努力を
上乗せしていくことが必要になります。

そのような努力をやめた瞬間から、
「エントロピー増大の法則」にしたがって
組織の能力は徐々に低下していくと
いうことになります。

エントロピーと人の一生

ちなみに、
「エントロピー増大の法則」というものを
人間の一生にあてはめてみると
こんな感じになります。

人というのは、
生まれた瞬間から
死に向かって進んでいます。
それは事実です。

そして、それは、
エントロピーが増大する方向に
向かって進んでいるということです。

そして、死というのは、
「その人のエントロピーが最大になった時」
ということになります。

とすれば、少しでも、
長生きをしたいと思うのであれば
「エントロピー増大の法則」にあらがって
何か、自分自身を向上させる努力を
死ぬまで継続して、やっていくことです。

エントロピー増大の法則にあらがう

それも、無意識ではなくて、
意識して実行することが、
必須になってくるということでしょうね。
無意識の状態では、エントロピーは
常に増大していくだけです。

ということで、
チコちゃんではないですが、
「ぼーっと生きている」と、
あっという間に、人生は終わってしまいます。

出来れば、可能な限り
「エントロピー増大の法則」にあらがって
少しでも長く、少しでも面白く、
人生を生きていければいいなと思います。

ムッシュスカラー

 

PS:先日、プロ野球、オリックス球団の中嶋監督の退任の記事がありました。その中で、中嶋監督が、「どんなに優秀な選手でも、同じ人間関係の中にいると、慣れが出てきて、今まできっちりとやっていた、やるべきことを、自然とやらないというようになってくる。残念ながら、その状態が出てきてしまった。だから、ここで新しい監督と交代するのが良い」というようなことを言われていました。まさに「エントロピー増大の法則」というのは、プロの集団でも、普通にあることを示している事例だと思いました。

PPS:ブログ中でも書いた通り、「エントロピー増大の法則」というのは、本来の定義は数式を使った厳密なものだと思います。ただ、今日のブログでは、法則の意味を、かなり拡大解釈して、概念のような感じで、使わせていただきました。そのため、厳密な言葉の定義とは、ずれているかもしれません。その点は、ご容赦ください。

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