ゴール設定をしない目標設定

普通は、目標設定というのは
まず、ゴールを設定する。
そして、そこから逆算して
今、やるべきことを決めていく
そんな方法が一般的です。

でも、そのようなやり方とは違う
目標設定の方法というのがあります。

どちらかと言えば、
そちらの方法の方に、
親近感を感じる人が
特に日本人の場合には
多いのではないかと思ったりもします。

私自身も、会社勤めをする前、
まだ学生で、社会を知らなかった時は
ゴール設定など考えたことは
ありませんでした。

でも、それなりに、自分なりに
目標設定というのは、あったんです。
今頃になって、ああ、そういうことか。
と感じているところです。

その目標設定というのは
どういうことか?
ゴール設定をしない目標設定というのは
どういうことか?

ゴール設定をしない目標設定とは

それは、いたってシンプルな話です。
「毎日をどう生きるか?」
そこについて目標を設定する
という方法です。

たとえば、
「人に迷惑をかけない。」
「自分にうそをつかない。」
「卑怯なことはしない。」
「親や目上の人を尊敬、尊重する。」
「あせらない、おこらない、いばらない、くさらない、まけない」
こんな目標です。

じゃあ、ゴールはどう考えるかというと
「ゴールは、毎日の目標を
日々達成した時に
自動的に到達する結果である。」
そう、考えるわけです。

毎日、目標を達成していくことで
現在の自分では、想像できないような
すばらしい未来が待っている、
気が付けば、すばらしいゴールを得ていた。
そんな感じです。

日々の目標達成で得られるのがゴール

以前のブログで書いたことがありますが、
人間というのは、自分が経験したことがないこと
全然、想像すら出来ないことを
「出来るだけ具体的に思い浮かべてみて」
と言われても、それは無理です。
「経験したことがないことはわからない。」
それが正直なところです。

なので、「ゴール設定をしましょう」
と言われても、そのゴールがどういうものなのか
実は、ほとんど実感が出来ていません。

となれば、当然ですが、
どのようなことをやっていけばよいか
それも、本当のところはわからない、
そういうのが正直なところではないでしょうか。

また、もうひとつ大事なことは、
ゴールについて、将来のある時期を
「ここがゴールだ!」と明確に設定した時に、
そのゴールした時さえよければ
それでよいのか?
という問題があります。

ゴールの時点だけ良ければいいのか?

たとえば、
「60歳までに、1億円の資産を作るぞ!」
というゴール設定をしたとします。
で、逆算して、そこに至るまでの
毎日の行動を導き出して、
本当にがんばって60歳になった時点で
1億円の資産が出来たとします。

さて、そこで、問題になるのは、
そこに至るまでの経過です。

そこに至るまでの経過が、
毎日が幸せで、毎日が充実していて
60歳になるまで、ずっと幸せだった。
そして60歳からはさらに幸せにいける。
これなら、何も問題はありません。

でも、60歳で1億円の資産を作るために
毎日、苦労の連続で、
幸せを感じたことがなかった。

とにかく、目標達成のために、
目標達成に関係ないことは
すべて無視して、排除してやってきた。

目標達成のための無視、排除

その結果、60歳で資産1億円は
達成できたが、気が付けば、
愛する家族とは疎遠になり、
友人もいない、幸せとは程遠い。
そういう人生はどうでしょうか。

人生とは目標達成なのだから、
それでいいじゃないかと
いう人もいるかもしれませんが、
本当にそれでいいのでしょうか。

よくよく考えてみれば、
目標設定の目的というのは、
未来の一つの時点の
ある数値の達成ということ
だけではないと思います。

それもあってもかまいませんが、
それよりもむしろ、
生を受けてから死にいたるまでの
人生の道のり、人生の過程において、
いかに毎日を幸せに、充実して過ごすか?

そちらの方に重点を置く方が、
より、人間の本来の生き方というか、
幸せな生き方に近いのではないか、
そんなふうに感じているところです。

ゴールよりもそこまでの過程を考える

冒頭でも書いたとおり、
世間にあふれている様々な
自己啓発や、マーケティングに関する
一般論では、まずゴール設定ありきです。

毎日、何をするかというのは
あくまで方法論であり、
方法は目的ではないと言われます。

もちろん、それは正論です。
とはいえ、その方法論の中に、
実は一番大切なことがある、
そんな気がしているところです。

特に、人が幸せを感じることというのは
人に感謝すること、人から感謝されること、
人を愛すること、人から愛されること
そんなことのように思いますね。

このようなことは、
とかく精神論というか
道徳や宗教の話として
避けられがちです。

でも、現実の世の中では、
こういう精神的な部分が、
実はもっとも大事なこと
なのではないかと思います。

精神的な部分の重要性

で、そのような精神的な部分を
毎日、大事にしていくことが
結果的に、ビジネスでも、
それ以外のことでも、
大きな結果につながっていく、
実は、そうなのではないかと思います。

「未来のゴール」
というよりも、
「毎日、どう生きるか」
を目標設定の対象にする。

そして、嬉々として、
その日々の目標達成に励む、
結果として、気が付けば、
大きな成果を手にしている。

これが、ゴール設定をしない
目標設定の方法だと思っています。

もちろん、これも、
100ゼロということではありません。

これも100ゼロではありません

ゴール設定はしないといっても
日々の行動の目標を考えれば、
短期間のゴール設定というのは
自然に出てきます。

基本は毎日の行動についての目標ですが、
ゴール設定からの逆算を、
100%否定しているわけではありません。

あまりにゴール設定からの
逆算に強くこだわると
毎日の行動に無理が出てきます。

結果として、本来、大切であるはずの
毎日の幸せが後回しにされてしまいがちです。

無理に無理を重ねてゴールに到達したら、
気が付けば、多くのものを犠牲にしていた。
最悪、お金は残ったが、命がなくなった。
そういうことさえもあり得ます。

ゴールは大切ですが、
そこにいたる過程はもっと大切です。
ゴールは未来のある時点のことですが、
そこにいたる時間、道のりは、
あなたの人生そのものです。

そこのところをよく考えて
日々、どうすべきか、
どう生きるか?

世間でよく言われているゴール設定とは、
また違った視点で、毎日の目標設定を
考えてみてはいかがでしょうか?

 

ムッシュスカラー

 

PS:若いころは、100ゼロの考え方しかできなかったので、「日々をどう生きるかだけ考えていればいいんだ、だから、将来のゴール設定はしない方がいいんだ」というような極端な考え方をしていた時代もありました。今は、いろいろ経験した結果として、日々の生き方と、未来の目標設定の両方を併用して考えている感じですね。

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