自分自身、仕事をしていた時から
ずっと思っていたことです。
人に任せるというのは、
本当に難しいなあということです。
逆に、人に任せることを
本当に上手にやってのけるかたも
世の中にはいらっしゃいますね。
「人間の器が大きい」
というんでしょうか。
おそらく、人の上に立てる人は
「上手に人に任せることができる」
そういうところに違いが
あるのかもしれませんね。
なぜ、上手に人に任せることができるのか?
それは、リスクに対する考え方が
普通の人とは少し違うから
なのかもしれませんね。
仕事であっても、
プライベイトであっても
何等かのリスクというのは
常についてまわります。
リスクは、極力ゼロにしたい
と思いますが、
なかなかそうはいきません。
リスクはゼロにはならない
私自身の事を言えば、リスクを取るのを
怖がるところがあります。
どちらかと言えば、
極力、リスクを取らないで
安全に、無難にやっていく方向性を
模索しながらやっていく方です。
一方で、世の中には、
ある程度のリスクは許容して
ある程度、無理をしてでも、
前に進めていくタイプの人も
当然ながら、いらっしゃいます。
私のように無難に行きたい人、
つまり、リスクを取りたくない人から見ると、
リスクを取るタイプの人の行動については
「危なっかしくて見ていられない」
どうしても、そんなふうに感じてしまいます。
もちろん、
リスクを取るタイプの人も
いろいろです。
リスクを取るタイプもいろいろあって…
何も考えずに突進する人もいますが、
リスクを充分に検討したうえで、
リスクを取る人もいます。
リスクを充分に検討したうえで
万が一の事態が発生した場合でも、
リカバリーが完璧であれば、
それはそれでいいわけです。
でも、そこは、性格ですね。
しっかりとリスクに配慮していて
何が起きても大丈夫だとわかっていても、
リスクのある行動はとりたくないのが
リスクを嫌う人ということです。
まあ、簡単に言えば、
ちょっとでも面倒なことは避けたい、
できるだけ無難にすませたい、
そんな気持ちでしょうか。
で、冒頭の話に戻りますが
人の上に立とうと思えば、
リスクを取りたくない人、
リスクを取りたい人、
さまざまな人を束ねていかないと
いけません。
人の上に立とうと思えば
自分がリスクを取りたくなくても
どうしてもリスクを取らざるを得ない
そんなことはいくらでも出てくるわけです。
なので、人の上に立つためには
必然的に、リスクについて、
冷静に俯瞰して、何か起きた場合に、
正確な判断が出来る、
そういう資質が必要になるようです。
最悪の場合はどうなるのか?
それを正確に予測して、
その場合の対処も正確にできるように
日頃から、頭を働かせることが出来る人
そういう人が、人の上に立てるのでしょうね。
よく言われることですが、
世の中が良い調子の時は、
誰でも人の上に立てますね。
何もしなくても、
自然に、勝手に、前に進めますから。
でも、世の中の様子が変化して、
どんどん悪くなって、
いったい、どこまで悪くなるか
その予測もつかないような時ですね。
どこまで悪くなるか予測できない時
そんな時に、落ち着いて、
冷静に、適格に適切な対応が出来る
これが、厳しい時代に
人の上に立つ人の条件になりますね。
こういう場合に、
適切な行動をとれるかどうかは
いわゆる「修羅場」を
どれくらい経験しているか、
そのあたりが、大きいのかもしれません。
どう考えても、
一度も修羅場を経験したことがない人よりも
数々の修羅場をくぐり抜けてきた人の方に
一日の長があるように思います。
もちろん、リスクを取らなくても
普通にやっていけるなら
あえて、リスクを取る必要はありません。
リスクを避けて安全策をとることを
選択する方がよい場合は多いです。
意外かもしれませんが、
多くの修羅場をくぐってきた人ほど
リスクを取れとは言いません。
リスクを取ることの大変さが
身に染みているからでしょうか。
リスクを取ることの大変さを知っている
そのような人たちは
リスクを取らなくて済むなら
リスクを取らない道を薦めます。
特に、本当の恐ろしい修羅場を
生き抜いてきた人ほど、
そのように言われているような気がします。
さて、話は、もどって、
どうしてもリスクを
取らざるを得ない場合の対処方法です。
これは、とてもシンプルです。
最悪の場合を詳細に検討して、
その時の対処方法をあらかじめ
詳細に検討して決めておくことです。
できれば訓練もしておくといいですね。
そこまで決めておけば、
そして、それが
本当に、腹落ち出来れば、
最悪の場合の対策は、
すでに出来ているわけです。
あとは、楽観的に、
前進するだけということになります。
「悲観的に準備して、楽観的に行動する。」
よく言われていることです。
悲観的に準備して楽観的に行動する
とまあ、書いてはみましたが、
自分ひとりだけならまだしも、
多くの人が関与する組織において
上記のようなことを実行するとなると
なかなか難しいと思います。
やはり、組織を運営するうえで、
それぞれの人の性格の違いは大きいです。
どうしてもリスクを取りたくない人もいれば、
あえてリスクを取りたがる人もいます。
すべての人が納得できるような
仕事の進め方というのは
やっぱりないんでしょうね。
自分が関係する多くの人の、
仕事の進め方について
理解し、共感し、
リスクも含めて受け入れられる人、
そういう人が、人の上に立てる人、
器の大きな人なのかなと思います。
なかなかできることではありませんが…。
ムッシュスカラー
PS:人間は、一人一人、みんな違います。一人として同じ人はいません。なのに、「みんな同じ人間だから」と考えてしまいがちですね。一番の基本なのに、忘れがちなことだと思います。