人と会うということは貴重です

年齢を重ねていくと、
人と会うということが
少なくなっていきますね。

特に現代のような、
核家族が当たり前の社会になると
年齢を重ねていくにつれて
どんどん人と会う機会が
少なくなっていきます。

私たちの親の世代なら、
家の中に、おじいちゃん、おばあちゃんが
いることが多かったですね。

親、子、孫の三世代が
同じ家の中にいた時代です。

そうすると、親の世代の
お友達が近所にいます。
同時に子供の世代のお友達も
当然ながら近所にいます。
そして、孫の世代のお友達も
当然、近所にいることになります。

その時代は、交通の便もそれほど
よくなかったです。
なので、行動範囲が狭かったですね。

行動範囲が狭かった

もちろん、車を何台も持っていて
家族それぞれが、車でお出かけする。
そういうリッチな家族が
ないことはなかったです。

ですが、多くの庶民と言われる人たち、
うちもそうでしたが、
多くの人が、徒歩、自転車、
あるいは、乗り合いバスでの移動ですから
そんなに遠くには行きませんでしたね。

その時代は、
地域の人たちの共同体というのは
とても自然に成り立っていました。
なぜかというと、しょっちゅう、
どこかで顔を合わせるからですね。

「ああ、こんにちは」
「ごきげんさん。」
「調子はどう?」

なんてことを、言い合いながら
しょっちゅう、道ですれちがったり、
時には、立ち止まって
世間話をするわけですね。

濃いお付き合いの時代

いわゆる「濃いお付き合い」
が普通だった時代です。

当然、そうなると、
人との付き合いですから、
様々な人間関係の問題も
普通に、起きていたわけです。

でも、その普通に起きてくる
さまざまな人間関係の問題の中で
迷いながら、悩みながら、
結果的に、鍛えられていました。

そういう環境の中で、
人間関係を円滑に進めていくスキルが
自然に磨かれていった、
そんなことがあったのかなと思います。

そして、迷っている時、悩んでいる時に、
親だけでなく、近所の人、
また、知人、友人などの
何気ない、無意識のサポートが
手を変え、品を変え、
いろいろと、あったんだろうと思います。

手を変え、品を変え、サポートがあった

その時代に比較すると、
最近では、親、子、孫が
一緒に住んでいる家というのは
減ってきていますよね。

統計データは調べたことがないので
あくまで推測ですが、
三世代同居の家が、
減っているということに
間違いはないと思います。

そうなると、必然的に、
人と会うという回数は減っています。

どのくらい減っているかの
具体的データが、あるのかないのか
調べていないのでわかりません。
でも減っているのは確かだと思います。

となると、人と会うことによる
人間関係の問題も減ります。
それはそれでいいのかもしれません。

ただ、一方で、
人間関係の問題に伴って出てくる
人間としての様々な感情というのが
あまり、出なくなってきます。

人と会わないと感情が動かない

感情が動かないと、
人というのは、なかなか、
成長が出来ないようです。

様々な感情が動くことで、
自然に磨かれていく「人間の力」、
別の言葉で言えば「人間性」というものは、
感情が動くことで、磨かれていきます。

でも、人に会わなくなることで
感情が動きにくくなって、
「人間性」を磨くということが
なかなか難しくなってきたのでしょうか。

いずれにしても、
良きにつけ、悪しきにつけ、
生身の人間と、リアルで会うことで、
直接に何らかの影響を受ける、
そんな機会が減ってきたわけです。

その代わりに
何が増えているかというと
インターネットでの
コミュニケーションです。

特に、最近では、
SNSに代表されるような
ネットでのコミュニケーションが
多くなってきましたよね。

以前のような
リアルのコミュニティではなくて
ネット上のバーチャルなコミュニティに
所属することが増えてきました。

バーチャルのコミュニティに所属する?

このネットの中の世界と、
現実のリアルの世界について、
「全く同じなのか?」
というと、当然ですが、
そんなことはありません。

たとえば、コミュニティを
構成するメンバーの属性ですね。

ネットでは、基本的に、
自分と考え方が近い人だけの
コミュニティになりがちです。

というか、そういうメンバーとしか
コミュニケーションを取りませんね。

一方で、たとえば、地域社会の
リアルのコミュニティの場合などは、
同じ地域に住んでいるという
条件(属性)が同じというだけです。

同じ地域に住んでいても、
自分と考え方が合わないと言う人は
普通に、いらっしゃいますね。

会社というコミュニティでも
それは同じです。
意見が合わない人が、
会社にはたくさんいますよね。

結果として、リアルの世界では、
自分の思うようにならないことが
やまのようにあるのが普通です。
なので、当然、ストレスも多くなります。

リアルの世界ではストレスが多い

ただ、それでも、
一緒に仕事をしている以上
付き合わざるを得ません。
となると、いやでも
付き合い方を考えます。

そうすると、そんな人との
付き合い方について
どうすれば、楽にやっていけるか?
そんなスキルを、自然に
身につけるようになっていきます。

それに対して、ネットの世界では
自分と考え方が合わない人とは、
会わないで済ませることが出来ます。
無視しておけばいいわけです。

なので、リアルの時のような
ストレスを感じることはありません。

その分、ストレスに対しての
抵抗性というか、耐性というのが
なかなかできにくい環境なのかなと
個人的には感じています。

この関係と、よく似た関係として、
会社の通常の出社の場合と
リモートワークの関係がありますね。

出社の場合と、リモートワークの場合

会社に出社して、
リアルで顔を合わせて仕事をする場合、
いやな上司、いやな同僚がいて、
自分は顔を合わせたくなくても、
必然的に、ある程度の
コミュニケーションをしなければなりません。
そこにストレスがありますね。

でも、リモートワークの場合、
リアルで顔を合わせて仕事をする場合に比較すると
ストレスは大きく減りますね。
本当に最小限のコミュニケーションで
済ませられます。

ただ、その分、自分の苦手な人との
コミュニケーションをどのように取るかという
世間を渡っていく上で、必須のスキルが
なかなか向上しません。

人と会うということは、
多くの場合、ストレスです。
特に、自分が、苦手な人と会うというのは
出来れば避けたいですよね。
とても自然な気持ちだと思います。

完全なストレスフリーではダメになる

でも、完全にストレスフリーになると
つまり、ストレスがゼロになってしまうと、
人間というのはダメになっていくそうです。

もちろん、ストレスが強すぎると
身体、精神を壊してしまいます。

重すぎない程度の、
適度な強さのストレスは、
人間をたくましくしてくれます。
筋トレと同じですね。

また、たとえば、
適度なストレスは、
創作活動や研究活動の
きっかけを与えてくれます。

人が人と会うこと、
これは、人が成長していく上で
とても重要なステップなんだろうと思います。

年齢を重ねるにつれて
人と会うことが少なくなっていくにつれて
ますます、しみじみと感じているところです。

 

ムッシュスカラー

 

PS:会社を定年退職すると、極端に人に会う機会が減りますね。特に会社人間と言われるように、会社べったりで仕事をしていたら、必然的にそうなります。たとえば、地域のコミュニティといっても、転勤族で、ずっとその地域に住んでいなかった場合は、地元に帰った時に、本当に、居心地が悪い感じがしますよね。

PPS:でも、そうは言っても、最終的には、自分がどうするかだけですね。自分で自分が所属したいコミュニティを探して、自分から積極的に入っていくというのが、とりあえず、孤独になることを防ぐ方法なのでしょうね。

PPPS:ちなみに、例外的に年齢を重ねるほど、人と会うことが増えていく人もおられます。どんどん人脈が増えるようなタイプの人ですね。そういう人は、ほんとにすごいと思います。見習うべき点がたくさんあるので、マネできるところはマネしていきたいと思います。

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