保険という不思議なビジネス

前回、「無駄の定義」について
いろいろとお話しました。

で、「この無駄かどうか」というのを
ビジネスにしているのが「保険」ですね。

この保険というビジネス、
私にとっては、不思議なビジネスでした。
だって、何も、物が生産されてないのに
お金が儲かるんですから…。
(すみません、頭が固くて…。)

保険というのは、
「もしもの事態」に備えて、
事前に保険料を支払っておいて
「もしもの事態」が起きた場合は、
契約していた保証(保険金の支払い)をしてもらう
というビジネスですね。
(このあたり、用語の使い方など、保険の専門家ではないので
正確ではないかもしれません。その点はご容赦ください。)

「もしもの事態」が起きなければ
保険金は支払われないので、
保険を売っている側から見ると、
いただいた保険料は、
そのまま利益になるということです。

保険料を支払う側(顧客側)からすれば
保険料は、そのまま
損失(支払い)のみ、ということになります。
別の言葉で言えば、「無駄」になります。

逆に、「もしもの事態」が発生すれば、
事前に契約していた保険金が支払われます。

多くの場合、支払った保険料よりも
得られる保険金の額は大きいので、
顧客側は、損失に対して
十分な金銭的な補償を
得られるということです。
別の言葉で言えば「無駄ではない」
ということです。

ビジネスとして成立するかどうか?

この保険の仕組みが、
ビジネスとして成立するかどうかは
顧客が事前に支払う保険料の金額、
「もしもの事態」が発生する確率、
「もしもの事態」に支払われる保険金の額、
これらの数字に依存します。

「もしもの事態」の発生確率が低くて、
事前にかける保険料が高い場合、
保険を売る側から見ると、
保険料の収入が多くて
保険金の支出は少なくてすみますので
大きな利益がでます。

逆に、「もしもの事態」の発生確率が高くて
事前にかける保険料が安い場合には
保険を売る側からみると、
保険料の収入が少なくて
保険金の支出が多くなりますので
利益は小さくなり、損失になる場合もある
ということです。

損失と利益のバランスの問題

繰り返しますが、
保険を買う側(顧客側)からみて
「もしもの事態」が起きなければ
事前に支払った保険料は、
そのまま支払いのみです。
受け取る保険金(収入)はありません。
保険料は「無駄」だったのかもしれません。

これだけ考えると、
「保険って、本当に必要なのかな?」
と疑っても、不思議ではないですよね。

でも、多くの人が
保険という商品を買っています。
それは、その保険を「無駄」とは思わないからです。
なので、保険を買う(保険をかける)、
つまり、保険料を支払うわけです。

多くの人が保険を買う大きな理由というのは、
保険をかけていることで
「もしもの事態が発生した場合でも大丈夫だ」
という「安心感」が得られるからでしょうね。

私自身がそうですが、
精神的な「安心感」を得るために
保険を買っているのかもしれませんね。

安心感を得るために保険を買う

さて、これを保険ではなくて、
日頃の、会社の活動、予算に
置き換えてみると、どうなるでしょうか?

日頃の活動、予算が「無駄」ではない、
そう考えるから活動もするし、
予算も立てるわけですよね。

でも、逆に、
それは「無駄」だと判断する場合は
それらの活動、予算は
効果、効用がないと判断しているわけです。

この「無駄かどうか」の判断について、
保険というビジネスを参考にした場合、
「お金の問題」もありますが、
多くは、「心の問題」なんでしょうね。

保険というビジネスは、
顧客にとって、その保険から得られるもの
具体的には、「精神的な安心感」を考えた場合に、
それにかかる予算(保険料)「無駄」ではない、
そう判断したら保険を買うわけです。

キーワードは「精神的な安心感」

日頃の活動、予算の考え方も同じです。
その活動、予算を使うことで、
どれだけ得られるものがあるか、
ここでも、「精神的な安心感」というのが
実はキーワードになっていたりしますね。

もちろん、
「その活動、予算が、無駄なのか?」
その判断基準について、
「これが、絶対に正しい」
というような判断基準はありません。

会社の場合には、
定量的に数値で示すことが
要求されますから、
「精神的な安心感」というような、
定量的でない、あいまいな基準では
話が出来ないかもしれませんね。

ただ、会社においても、
実際に判断するのは「人」です。
判断する立場にいる「人」です。
会社という法人そのものが、
判断しているわけではありません。

ですから、その判断基準については、
あなたが、保険を買うかどうか、
その判断基準と、基本的には同じです。

多くの場合、心の問題がからんできます。
判断する人の価値観、人生観の問題になりますね。

ということで、
今日は、保険というビジネスについて
「無駄かどうか」の判断と関係づけて
考えてみました。

保険というビジネスの不思議さ

私自身は、この年になるまで
保険というビジネスについては、
ほとんど考えたことがありませんでした。
ずっと、興味の外にあったんですね。

でも、よくよく考えてみると
本当によく出来たビジネスだと思うわけです。

「なるほどなあ、何も手元になくても
何も作らなくても、
ビジネスになるのか…」

と、今頃になって、感心しているところです。
まあ、考えるのが、
ちょっと遅すぎたのかもしれません、

でも、これまでほとんど
興味がなかったこういうことも
多少は、知っておくと、
これから役立つことがあるのかなと思います。

 

ムッシュスカラー

 

PS:はじめて保険というビジネスを考え出した人は、どんな人だったんでしょうね。人間の心理というものをビジネスにつなげたのですから、なかなかの切れ者です。私などは、どこをどう考えても思いつかないようなビジネスです。

PPS:でも、「保険なんて、意味がない、自分には不要だ。」と考える人も、ある程度の数、いらっしゃいますね。このあたりは、その人の価値観によるところが大きいです。その人の遺伝、性格によるのだろうと思います。本当にみんな違うなあと思います。

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