前回、忘れることへの対応について書きました。
自分のアイデアについては
忘れないうちに書き留める
ということでしたよね。
でも、この忘れるということは
セールスやマーケティングでは
避けて通れない大切な要素です。
マーケティングの講演などで
本当によく出てくる話なのですが、
たとえば、飲食店で、
はじめて来店したお客さんが
リピートしてくれない理由の
第一位は何かご存じですか?
サービスが悪かったから?
味が悪かったから?
店の内装が悪かったから?
リピートしてくれない理由の第一位
お店の人たちは
味、サービス、店の雰囲気、
そういう理由を考える人が
多いようなんですね。
あなたもそう思われましたか?
でも、実際に調べたデータでは
理由の第一位は
そんなことではなかったそうです。
理由は別にあったんですね。
この話の流れから
あなたもお気づきかもしれませんね。
そうです。
リピートしない理由の第一位は、
忘れてしまうからです。
第一位は忘れてしまうから
かなりおいしかったお店でも
すぐに忘れてしまいますよね。
特に、店の名前などは、案外すぐに忘れます。
そんなに必死になって覚えませんよね。
そして、その店がどこにあったのかさえ、
すぐに曖昧になります。
もう一度、行きたいと思っても
なかなか思い出せません。
あなたもそのような経験はありませんか?
営業(セールス)でも、
自分が販売している製品が売れない
その最も大きな理由は
相手が、製品を思い出せないということです。
忘れられているということです。
営業でも忘れられていると売れない
いやいや、そんなはずはない、
いつもアピールしているから
相手が忘れるはずがない。
そんなふうに思われますか?
でも、こういうのは相対的なものです。
あなたがアピールしている製品よりも
もっと何度もアピールしている製品があれば
どうしてもそちらの記憶しか残らなくなります。
もし、ライバル社の製品が、毎日、
しかも、朝、昼、晩とアピールしていて
自分が、週1回のアピールだとしたら
顧客から見たら、どうでしょうか?
週1回のアピールは、
アピールしているうちにはいるのか?
そんな感じですよね。
忘れられているのでは?
それが、1カ月に1回程度なら
まず、覚えている人はとっても少ない、
ほとんどいないと考えるのが妥当です。
人間は忘れるんですよね。
別に悪意があって忘れているわけではありません。
普通に、自然に忘れるんです。
なので、それを受け入れなければなりません。
人は必ず忘れる、それを前提で
仕事を組み立てる必要があるわけです。
営業なら、アピールの回数を
増やすことが基本です。
ただ、毎回同じことばかり言っていたら
だんだん、見向きもされなくなります。
嫌がられるようになりますね。
そこには、何等かの工夫が必要です。
工夫は必要ですね
また、営業とは違いますが、
社内のお知らせでも理屈は同じです。
そもそも、1回連絡したからそれでOK、
なんて考える方が間違っています。
必ず忘れられます。
会社では「連絡を忘れる人の方が悪い」
という考え方の方が圧倒的に多いですよね。
確かにその通りだと思います。
でも、そうやって忘れる人を非難したからって
その人たちが忘れてくれなくなるわけではありません。
忘れる人は必ずいること
ほとんどの人は、忘れるんだということを前提で
お知らせ、周知をしていかないと
現実の仕事は、前には進まないわけです。
人は忘れる生き物です。それが普通です。
それを大前提として受け入れて、
なんでもやっていけるといいですね。
ムッシュスカラー