ああ、この人って,こういうことをやってたんだ。
ああ、この人と仕事をしたこともあったなあ。
ああ、こんな本、読んでたんだ。
そんなふうに、人間というのは
いとも簡単に以前のことを忘れます。
年齢を重ねるほど、そういう感覚は強くなりますね。
いとも簡単に忘れるのが人間です
「よし,がんばって覚えた!」
そう思っても,ある日、気がつけば、
きれいさっぱり忘れていることに気がつきます。
いえ,本当は,忘れたこともわかりません。
そんなことを覚えようとしたことさえ忘れています。
本当に、きれいさっぱり,
何もなかったことになっています。
本当に見事なもんです。
そう考えれば,
「覚えている」ということは
本当にたいへんな事なんだなと
特に最近になってそう思います。
「覚えている」というのはたいへんなこと
では,忘れることばかりの日常のなかで,
「覚えていること」というのは
どんなことなんでしょうか?
これは,答えはシンプルですよね。
そうです。
何度も何度も繰り返したことです。
それこそ、思いだそうとしなくても
自然に浮かび上がってくるもの,
頭の中に染み着いているというか
脳細胞の一部になっているというか
身体の一部になっているようなことです。
体が覚えているなんて言い方もしますね。
身体の一部になっていれば覚えている
そこまでいけば、おそらく一生,
忘れることはないんでしょうね。
習慣になるとか,潜在意識にはいる
なんて言い方もしますね。
なので、仕事で、担当者に
「これ、絶対に覚えてね!」
って大きな声で伝えたとしても
たぶん、数分もすれば忘れています。
翌日になって、教えたことについて
「『これ絶対に覚えてね』って言ったけど,覚えてる?」
って尋ねたとします。
どのくらいの人が「はい,覚えています。」
っていうでしょうか?
もちろん,どのくらいシビアーな環境か?
どのくらい真剣な集団かによって,
バラつきは大きい思います。
でも,普通の会社の教育などでは
おそらく,8割くらいの人は忘れている
そう思っていいんじゃないかと思います。
8割の人はたぶん忘れています
でも、それは覚えない人が悪いと考えるよりも
教え方が悪いと考えるべきなのかもしれませんね。
その時点で、もう1回覚え直してもらえば、
覚えてくれる人の割合は上がります。
何回も何回も繰り返せば、
そのうちに覚えてくれるようになります。
何回やらないといけないかは
それこそ,ケースバイケースです。
ただ,普通の会社では,
仕事量との兼ね合いで,
すべての人が本当に覚えるまで
何度でも繰り返してやるというのは
現実問題として無理なんでしょうね。
時間切れということで諦めてしまいます。
普通の会社では時間切れが多いですね
やむを得ないのかもしれませんが
会社での教育がうまくいっていないのは
おそらく,そのあたりに
問題があるのだろうと思います。
教育にかけられる時間が
それほど多く取れないのでしょうね。
となれば,その限られた時間でやるとすれば
おそらく必然的に以下のようなやり方になりますよね。
多くの知識を網羅的に1回だけ伝えるのではなく
重要な少ない知識を繰り返し何度も伝える
「どれだけ多くを伝えるか?」
ではなく
「どれだけ少なく,何度も伝えるか?」
どれだけ少なく,何度も伝えるか?
これが重要なポイントですよね。
シンプルな話ですが,なかなか実現できていませんね。
私の周りでは,そういう話をよく聞きます。
自分自身の反省をこめて,今日は書いてみました。
さて,あなたの周りではいかがでしょうか?
「できるだけ少なく伝える。」
案外,できていないことが多いんじゃないでしょうか?
ムッシュスカラー
PS:最近、忙しさにかまけて更新の頻度が減っていましたね。これからはもうちょっと頑張りたいと思います。(もうちょっとだけですけど。。。)
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