「今度,仕事のこの部分を
このように変えたいと思います。
それでよろしいでしょうか?」
「やあ,それは,無理だよ。
今まで,私は,ずっと
こうやってきたんだ。
それは私には気持ち悪い,
私は反対だ。それは無理だな。」
たとえば,会社で
何かを変えようとしたときに
上に書いたような
会話になることがあります。
ベテランからの反対意見
何かを改善しようというときに
必ず聞こえてくる言葉ですね。
特に,ベテラン,古株と言われる
かたがたからよく聞こえてきます。
そういう人達の存在感は
たいてい,とても大きいです。
それに,そういう人達は
声も大きい場合が多いです。
なので,組織において,
「これまで,長い間,
変わらずやっていた何か,
それをこれから変えていく」
というのは本当に難しいです。
もちろん,
それが伝統であり文化である
という場合もありますから
何でもかんでも変える
そういう話ではありません。
何でもかんでも変えるわけではない
しかし,長く続く
良くない習慣というものも
当然のことですが存在します。
それを変えないと
組織は良くなっていきません。
それで,何とか
変えていこうとするのですが
現実はなかなか厳しいわけです。
で,結局,あきらめて,
「改善の先送り」を繰り返し
そうやって多くの組織は
結果的に「現状維持」を選択します。
現状維持は実は衰退です
その結果,組織は
徐々に衰退していきます。
たいていは徐々に落ちていき
ある時点からは一気に落ちる
そんな流れですよね。
なので,組織のリーダーは
現状維持の発想ではだめです。
現状維持というのは,実は衰退です。
組織が衰退していかないように
ちょうどいいバランスで組織を維持しつつ
改善していかなくてはなりません。
ただ,その
ちょうどいいバランス
というのが問題です。
いきなりすべて変えてしまうと
プラスよりもマイナスが
大きくなってしまうことがあります。
いきなりすべてを変えるのは危険
場合によっては
組織自体が崩壊してしまう
そんなことにもなりかねません。
でも,一方で,
何もせず,何も変えない
そのようなやり方では
ジリ貧で,やっぱり組織は衰退です。
ちょうど,この
100とゼロの間の微妙なバランス
そういう微妙なバランスを感じて,
調節しながら改善行動を実行していく
そういうことが
その組織のリーダーの役割ですね。
こうやって書いてみると
ものすごくあたりまえのことですが
現実に出来ているケースは
ものすごくまれではないかと思います。
100とゼロの間のちょうどよいところ
本当に文章で書くのは簡単なんですが
実際のその改善の現場では
本当に胃が痛くなるような
修羅場が続いたりしますよね。
そして冒頭に書いたように
ベテラン社員に対して
改善を依頼するのは
とっても骨が折れるものです。
というか,そもそも
話も聞いてくれませんよね。
険悪なムードになることも
当然ですが,あります。
でも,その中で,
なぜ変えないといけないのか?
これから目指すところはどこなのか?
この会社はなんのためにあるのか?
そういう根本的な話を
時間をかけてやることで
すこしずつよくなっていくことが多いです。
(もちろん,ダメなこともありますよ。
その時はその時です。)
根本的なことを時間をかけて話す
たいていの場合,
この「時間をかける」ということが
絶対的に足りていません。
ちょっと話してみて
「ああ,あの人にはわかってもらえない。」
「ああ,あの人は無理だ。」
「ああ,あの人にはかかわらない方がいい。」
という感じで遠ざけてしまう,
そういうことが多いです。
もちろん,本当にどうでもよい人なら
それでもいいのですが,
そういうベテランの人は
たいていは重要な役割をもっているわけです。
その役割において
もっと良い仕事をしてもらう必要があります。
そのためには,好き嫌いなどの
自分の感情は無視して,言うべきことは
言わないといけません。
自分の感情を無視して言うべきことを言う
リーダーには,そういう気概,
憎まれることをいとわない強さ
いわゆる「打たれ強さ」
そんなものが必要になりますね。
「だれからも好かれたい」
そういう人はリーダーには向いていません。
というか
「だれからも好かれたい」
という発想ではリーダーにはなれません。
もちろん,わざわざ
嫌われる必要はありません。
ただ,自分の意見をはっきりと述べれば
それに批判的な人は当然出てきます。
それが当たり前のことです。
そして批判的な意見が出てくる
ということは,自分の意見が
その人に届いているということです。
批判があるのは悪いことではない
誰からも批判されないということは
自分の意見はおそらく誰にも届いていない
そういうことだと思います。
そして,批判の意見が出てくるようになれば
さらに先に進むことができます。
その批判に対して,どのように対応するか?
そういうことを考えていくからですね。
そうやって,前に進んでいくのが
理想論ではなくて,現実的な
ステップアップの方法だと思います。
大きく成功した人は
大きく批判されてきた人です。
これは過去も未来も
おそらく一貫した原則ですね。
ということで,今日は
組織の改善について触れてみました。
今日も最後までお読みいただき
ありがとうございました。
ムッシュスカラー
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