一番信用できないのは自分だよ

「一番信用できないのは自分だよ」
この言葉は、私が20代の頃に、
尊敬していた先輩から聞いた言葉です。

「一番信用できないのが自分だなんて、
他の人よりも、自分が信用できないの?」
って、思うかもしれませんね。

確かに、自分以外の他人については
100%の信用はおけません。
自分の思うとおりになるということは
ほとんどありませんよね。

なので、最初から、そのつもり
つまり、100%信用はしない、
そういうつもりで、考えています。

何かを任せる場合でも
100%は無理かもしれないな
ということをある程度踏まえたうえで、
状況に対応していると思います。

なので、自分の思惑と
ちがったことになっても、
「まあ、そういうこともあるだろう」
という感じで、そんなに、
慌てふためくようなことはありません。

もちろん、人を100%信用して、
なんの疑いもなく、任せきるというのは
そのあり方としては美しいかもしれません。

人を100%信用するのは美しいけれど…

でも、現実の世界は甘くありません。
任せた人が、どんなに努力しても
自分の思った通りにならないことなど
山ほどあります。

その時に、任せた相手を責めることは
これは、ある意味理不尽です。
なぜかと言えば、
その人に任せたのは自分だからです。

その人を信用して任せたのですから、
責めるのであれば、自分を責めることです。
結果については、自分が責任を持つ、
それが、当たり前のことですね。

さて、話を戻して、冒頭の言葉です。
「自分が一番信用できない」
というのは、こういうことです。

自分が一番信用できないとは?

人というのは、
自分以外の他人に対しては、
その人の能力に関して、
比較的、客観的に判断できます。

ところが、それが、自分に対して
つまり、自分の能力ということになると
なかなか、客観的に、冷静に
判断することが出来ないということです。

たとえば、ある案件について
「なるほど、この案件は、
こうして、ああしよう。
で、こうなったら、こうして
こうならなかったら、そうしよう。」
などというアイデアが
次々に浮かんできたとします。

もし、これを自分以外の人に任せるなら
その人を呼んで、
自分が考えたアイデアについて
しっかりと説明しますよね、
また、詳細な事後報告についても、
しっかりと求めますね。

では、自分が考えたアイデアを
自分自身でやる場合はどうでしょうか?

自分のアイデアを自分でやる場合は?

他の人に説明する場合のように、
わかりやすく準備するでしょうか?
また、やった後の事後の振返りについても
しっかりとやるでしょうか?

自分自身がアイデアを出して、
それをそのまま自分が実行する場合、
つまり、アイデア出しから行動まで
自分だけで完結する場合ですね。

その場合に、
アイデアを詳細に書き出すこと、
実行案を詳細に書き出すこと、
実行したときの進捗を確認すること、
実行した後の最終報告をまとめること、
これらのことを、常にやっているでしょうか?

あなたが、自分自身について、
そこまで厳密に管理しているというなら
もう、何も言うことはありません。
あなたは「自分自身が一番信用出来ない」
この言葉を、よく理解している人だと思います。

自分自身を厳密に管理しているか?

「自分自身が一番信用出来ない」ということの
別の表現として、よく聞く言葉として
「自分自身を律する」
という言葉がありますね。

「自分自身を律する」というのは
具体的には、自分自身の感情、行動を、
常に、自分が理想とする状態に近づける。
また、自分自身の感情や行動について、
理想的な状態になるように維持する。
そのために様々な手法を駆使する。

あくまで、私個人の解釈ですが、
上記のような感じになるでしょうか。

ただ、理想的な感情、行動というのは、
人によって、基準が全く異なります。
場合によっては、完全に真逆のことが
理想の基準になることもありますね。

ちなみに、私の理想の基準は、
目の前の人を幸せにする
目の前の人に不快感を感じさせない。
常に心身ともに健康であること。
くらいが最優先でしょうか。

で、そこで、問題になるのは、
「掛け声」だけでは
自分を律することはできない
ということです。

「掛け声」だけではむずかしい

「掛け声」というのは
目の前の人を幸せにするぞ!
目の前の人に不快感を感じさせないぞ!
常に心身ともに健康を保つぞ!
という感じで、自分で自分に声をかけて
意識を高めるということです。

もちろん、そうやって掛け声をかけて
意識を高めることは必要です。否定はしません。
ただ、それだけで終わってしまうことが
案外、多いのではないでしょうか?

自分の意識を高める、
自分に対して声掛けをする
こういうのは第一歩です。
そこから先、必要になるのは
具体的な行動です。
目に見える行動ですね。

思っているだけで達成できる。
意識を高めれば達成できる。
もしそう考えているなら、
それは、自分を信用しすぎです。

自分を信用しすぎている

何度も書いているとおり、
自分自身が一番信用できません。

今は、これを頑張るぞと思っていても
もう、数時間後には、そんなことは
きれいさっぱり忘れてしまっています。
まったく別のことを考えています。

程度の差はありますが、
意識を高めても、それが続くのは
ほんのわずかな時間です。
具体的な行動が伴わなければ
何も変わりません。

ひとつのことを思い続けるだけで
そのことが達成できてしまう、
現実には、そんなことはなさそうです。

何か自分の思いを達成したいと思えば
自分という人間を信用しないことです。
「信用できない自分という人間を
どうしたらゴールまで持っていけるのか」
そこをよく考えて、行動のプランをつくること、
それがとても重要になってきます。

信用出来ない自分をどうあつかうか

「意志の強さ」というのは
もちろん重要な条件の一つです。
その方がよいとは思います。

ただ、たとえ意志が強い人であっても
「自分は自分で思っているほど意志は強くない」
という前提で、物事を考えていく方が
現実的な対応が出来るのではないかと思います。

「自分のような意志の弱い人間でも、
どうにかこうにか目標を達成できる方法、
自分を律することが出来る方法」
そんな方法を考えて実践していくことが
結局、確実に目標に近づいていくことに
なるのだろうと思います。

「一番信用できないのは自分である」
という言葉を時々思い出して、
自分の日常の行動というのを
ちょっと見直してみると
新しい発見があるかもしれませんね。

 

ムッシュスカラー

 

PS:自分は、自分の理想通りに生きている、そんな実感を持っている人は、どのくらいいるのでしょうか?私の場合は自分の理想と現実は大きく乖離しています。理想が高すぎると言われることもありますね。理想と現実のバランスを取る、これもとても大切なことのようです。

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