まるで、今、そこにいるように書く

将来の目標を考える時に
とりあえず大切なことは
頭の中だけで考えるのでなく
書き出してみることですよね。

で、その将来の目標を書く時に
よい方法があります。

それは、将来の目標について、
「まるで、今、そこにいる。」
そう感じることができるように
些細なことまで、
細かく書くということです。

短い言葉で、ただひとこと、
「お金持ちになる」とか
「健康である」とかではなく
たとえば、小説の一場面のように書く。

小説の一場面のように書く

「今、私は、○○市の専門店で購入した
明るいブルーのセーターと
ダークグレーのスラックスを着ている。

3万円くらいしたのかな?
自宅の窓からは、○○山脈が見事に見えている。
テーブルの上においてある大きめのマグカップには、
妻に入れてもらった
ブラックコーヒーが入っている。
宮城谷昌光さんの小説を読みながら、
モーツアルトのピアノ協奏曲の音源を聴いている。
銀行預金残高は、しばらく見たことがないが
この10年間、1000万円を切ることはなく、
まったく心配はしていない。」

というように
(上記は、まったくの思い付きのフィクションです…。)
小説に出てくる一場面のように、
書いてみるんです。

どんなものが部屋の中にあるか?
まどからどんな風景が見えるか?
どんな飲み物を飲んでいるか?
どんな服装をしているのか?
どんなことを考えているのか?

そんな些細なところまで
書くことができるようになると
目標が、本当の意味で、
具体的になってきます。

本当の意味で具体的になる

一般的に、抽象的な目標を
具体的な目標にする方法として
シンプルな方法は、目標に数値を入れることです。

ただ「年収を増やす」
ではなくて
「年収を1000万円以上にする。」
というように数字を入れることですね。

また、期限についても、
「可能な限り早く」ではなくて、
たとえば、
「50歳までに」
というふうに、
具体的に数字をいれることです。

それらはもちろん大切なことです。
そのうえで、今日、お伝えしたのは
さらに、もう一歩踏み込んだ
目標設定の方法です。

一般論よりも一歩踏み込んだ方法

というのも、私の場合、
想像力が乏しいです。
一般的に言われている方法では
どうもパッとしないのですね。

たとえば目標に、数字を
入れたらよいということで
「年収1000万円稼ぐぞ。」
と書いたところで、
正直なところ、あまり具体的に
想像ができないんです。

その「年収1000万円」になったとき、
自分が、どういう日常を送っているのか?
見当が、まったくつかないんですね。

それは考えてみれば当たり前で、
普通、目標というのは、現状よりも
高いレベルに設定します。
多くの場合は、自分が今まで
経験したことがないところに
目標を設定しますね。

経験がないことは想像できない

なので、自分は、その目標に
到達した経験がないわけです。
なので、その目標を達成した時に
どんなことになっているのか
実感を持てるわけがありません。

だから、たとえば、今、
年収が600万円の人にとって
「年収1000万円を達成するぞ。」
というのは、数字としてはわかるけど、
何となく実感がないことが多いわけです。

「年収1000万円になると
具体的に自分の生活がどうなるのか?」
「日常の生活はどんなことになっているのか?」

それを、小説の一場面を読んでいるように
自分のこととして、目の前に再現できれば、
それは、とても強いイメージにつながります。

ああ、自分はこうなりたいんだ…

「ああ、自分はこういうふうになりたいんだ。」
それが、実感として想像できれば
自分は、本当にそうなりたいのかも含めて
目標が、初めて自分のものとして実感できます。

たとえば、こんな感じでしょうか?
「買物をするときに、値札を見ないで買うことができる。」
「毎月のクレジットカードの支払額を気にする必要がない。」
「銀行預金が、まったく減らない、むしろ増えている。」

これを、さらに詳しく書く。
たとえば、自分の家族も含めて
目標達成後に見えてくる場面が、
「まるで、今、ここにある」かのように
再現できれば、目標設定としては、
かなりいい感じなのではないでしょうか?

かくいう私自身、今、
目標設定として考えているのは
この世を去る時のことです。

今、終わりを考えています

理想的には自分が
この世からいなくなったあとの家族のことも
考えた方がいいのでしょうが、
まずは、自分のことですね。

「自分がこの世からいなくなる時に
どういう状態、環境でありたいのか?」
「その時、家族はどうなっていればOKなのか?」
「その時、妻は?子供たちは?」

その時のことが、今、
まるで目の前に浮かぶように
自分で、その場面を書き出してみることにしました。
(まだ、完成はしてませんが…)

とはいえ、そんな先のことは誰にもわかりません。
自分がいつこの世からいなくなるかなんて、
だれにもわかりません。
なので、いくら考えても、
こんなものに、正解はありません。

正解はありません

でも、あくまで、現在の自分の未熟な想像として
考えることは、有意義なことだと思います。

「この世を去る時までに、どうなりたいのか?」
「この世を去る時まで、どうありたいのか?」

それは、この世を去るときの場面を、
自分自身で、生き生きと描写することで
ある程度は、実感することができます。

さきほど書いたとおり、
具体的な数字で、財産がいくらあって
ということはもちろん重要です。
(ちなみに、財産を残さないという選択肢もあります。)

でも、さらに重要なことは、
どういう感情の中で、
この世から去っていこうとしているか、
そこまで想像できれば、
より良いのかなと思います。

どういう感情で終わりたいか?

もちろん、自分が成長すればするほど
その時の情景描写は変わっていきます。
なぜかといえば、成長すれば成長するほど、
それまでの自分では想像できなかったことが
自然に想像できるようになるからですね。

そうやって、年を重ねるごとに、
何度も、最期の時の描写を書き直していくと
いいかもしれませんね。

人生の最期の時のことを考えるというと、
何か、もう人生をあきらめたみたいな
ネガティブな感じがするかもしれませんね。
でも、それは、むしろ逆です。

人生の最期のことを考えることで、
今、この時がどれほど大切なのかが
腹の底からわかるようになります。

「終わり」を考えると「今」が大切になる

誰にでも「終わり」はやってきます。
でも、みんな自分の「終わり」からは、
目をそらしています。
考えないようにしていますよね。

もちろん、それは、その人の自由です。
それで全然かまわないのですが、
「人生の終わり」をしっかりと意識することで
逆に、今を精一杯生きるということが
もう少し具体的になりますね。

目標を具体的にするというのは、
単に数字を入れるだけではなくて
その目標が達成された時の自分を、
まるで今そこにいるように描写する。

それが、より実感がわいて、
自分自身で、腹落ちしやすい
目標設定の方法なのかなと思います。
まあ、なかなか難しいですが…。

 

ムッシュスカラー

 

PS:今まで、目標設定に関しては、いろいろな本を読んだり、セミナーを受けたことがあります。詰まるところ、多くの先生と言われる方々が言われていることは、今日、書いたようなことなのかなと思います。もちろん、言い方、使っている言葉は様々です。でも、突き詰めるとどれも似ているなと感じています。

PPS:「人生の最期を、まるで今そこにいるように描写する」というのは、実際にはなかなかの難問ですよね。なにしろ、「自分がこの世からいなくなる」という経験をした人はいませんからね。いちばん役立つのは、自分の親、あるいはとても懇意にしていた人の最期、その場面を思い出すことでしょうか?

PPPS:実際に、生身の人間が亡くなる場面に立ち合い、人の「死」を実感することで、今の自分の「生」がとても素晴らしいことだと実感できると思います。

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