軍隊などで、射撃をするときの順番として
「構え、狙え、撃て!」
というのがあります。
でも、米国の大富豪のマイケル・マスターソンは
ビジネスのやり方は、そうではなく、
「構え、撃て、狙え!」
だと、言われています。
マーケティングやセールスを
よく勉強している方であれば、
もしかしたら、ご存じかもしれませんね。
でも、この言葉を知っていても
誤解している人が多いそうです。
そもそもの
「構え、狙え、撃て」
ではなく、
「構え、撃て、狙え」
を勧めている意味は、
ある程度の方向性を決めたら
とりあえず、撃ってみろということです。
その結果をみて、しっかりと
狙いを定めなおせということですね。
というのも、
「狙え」の正確性を追及しすぎて、
「構え、狙え」で止まってしまって
「撃て」が出来ない人が
あまりに多いからです。
「撃て」ができない人が多い
あなたはいかがでしょうか?
「構え、狙え、狙え、狙え、狙え…」
になってないでしょうか?
正確さ、完璧さを求めるあまり
なかなか、「撃てない」
つまり、「一歩、踏み出せない」
ということ、ありませんか?
私は、会社員時代にも
今でも、時々そうですが、
しょっちゅう、この状態になります。
完璧を求めるあまり、
最初の一歩が踏み出せなくなる
ということです。
完璧を求めると行動できない
そのために、マイケル・マスターソンは
それを戒める意味で、
「まず、一歩踏み出して
その結果を見てから、狙えばいい。」
と言っているわけです。
で、今日の本題ですが、
この言葉を聞いて、よくある誤解というのが
行動力がある人にありがちなパターンです。
それは何かというと
「構え、撃て」
ここまではいいんです。
行動力がある人は、すぐにできますから。
問題は、その次です。
圧倒的な行動力があるばかりに
最後の「狙え」を忘れることです。
「狙え」を忘れてしまう
つまり、
「構え、撃て、構え、撃て、構え、撃て…」
この繰り返しになってしまうことです。
これは、ひたすら、あるパターンの行動を
とにかくやり続けることになります。
とにかく、大量に行動を実践する
というパターンです。
世間でよく言われる
「愚直な実践」の
模範のようなパターンです。
なので、セールスやマーケティングの世界では
わりと褒められるパターンです。
実際、大量の行動になるので、
成果が出ることも多いです。
成果が出ることも多いですが…
でも、これでは、いずれは
疲弊してしまうことになりますね。
というのも、行動の改善がないからです。
「構え、撃て、狙え」
の最後の「狙え」というのは、
まさに、改善のことです。
射撃の場合に、構えて、撃って
撃った結果が、ドンピシャで、
目標のど真ん中に当たったのなら
その構えのままで、バンバン
撃ち続ければいいわけです。
しかし、たいていの場合、
一発目は、真ん中に命中はしません。
なので、弾丸が命中した場所から考えて
構えをずらす、つまり狙うわけです。
結果を見て構えを変える
考えてばかりで行動できないことを
戒める言葉としての
「構え、撃て、狙え。」
なのですが、行動力がある人ほど、
最後の、「狙え」つまり「改善」
ということを忘れがちです。
人間というのは不思議なもので、
考える人は考えすぎになりがちですし
行動する人は行動ばかりになりがちです。
実際、これはよくある話です。
理想的なのは、
ある程度考える(構え!)
パッと行動する(撃て!)
行動の結果を見て改善する。(狙え)。
でも、私たちは、往々にして
「考えるだけ」か「行動するだけ」
つまり、「オールオアナッシング」、
「100かゼロか」になりがちです。
オールオアナッシング、100ゼロは危険
「構え、撃て、狙え」は、
オールオアナッシング、100ゼロのような
極端な方向におちいりがちな
自分の思考や行動パターンを
変えていくのによい方法だと思います。
「考えるだけで、行動しないのはダメ。」
「行動だけで、一切考えないのもダメ。」
そこのバランス感覚が
重要だということですよね。
わかっているつもりだけど、
気が付けば、はまってしまっている、
そんな罠のようなものでしょうか。
それこそ、改善していければいいですね。
ムッシュスカラー
PS:米国の大富豪の「マイケル・マスターソン」というのは、ペンネームだそうです。マーク・フォードというのが、本名だそうです。この人の本は、私は好きで、以前からよく読んでいます。とても堅実な考え方で、ちょっと日本人っぽいところがあるかなと個人的には思います。(まちがった理解かもしれませんが…)
PPS:もし、弾丸が一発しかないとしたら、「構え、狙え、撃て」で、完璧に狙って撃たないといけなくなります。これはめっちゃ難しいです。だからこそ、そうならないように弾丸を多めに準備しておくことは必要ですね。