慣性の法則

「慣性の法則」というのがあります。
「一度動き出したものは、そのまま動き続ける」
というものです。

一方で「慣性の法則」の
もう一つの表現として、
「止まっているものは、ずっと止まり続ける」
というのがありますね。

ある意味、人間でも
「慣性の法則」は成立します。

私自身の経験ですが、
小学4年生の頃だったと思います。
遊んでいて、右の肘を骨折してしまって、
2週間ほど、右腕全体にギブスを巻いて
固定していたことがあります。

そうすると、2週間後に、ギブスをはずして
右腕が自由に動かせるようになったのに
なかなか、右腕は自由に動きませんでした。

右手で箸を使って、食べ物はつかめても
肘の動かせる範囲が小さくなっていて、
口元まで右手の先が、届かなかったんです。
そうすると、自分で食べ物が食べられない、
そんな経験をしたことがあります。

寝たきりになると歩けなくなる

また、他の例では、たとえば、
入院して寝たきりになった場合も
「慣性の法則」が成り立ちます。

たとえ、それが
若い人であったとしても、
寝たきりの期間が
ほんの1週間であったとしてもです。

次に、ベッドから起き上がって
歩こうとしても、体が動かせなくて、
なかなか思うように歩けない。
そんな話を、聞いたことがあります。

ずっと続けていれば、なんてことはない、
「当たり前にできていたこと」でも
それを中断して、やらなくなってしまうと
「頑張らないとできないこと」
変わってしまうということですよね。

どんなことであっても、
一度、中断すると、
次に再開する時には、
ずっと続けていた時よりも
大きなエネルギーが必要になります。

中断すると再開するのにエネルギーが要る

また、同様に、新しく
何かを始めるという時も
エネルギーがとてもたくさん要りますね。
これも「慣性の法則」です。

物を動かす時には、
一番最初に、一番大きな
エネルギーが必要になります。

でも、いったん、
動きだしてしまえば、
最初ほどのエネルギーは
要らなくなりますよね。

人間が何かの習慣を
ものにしようとする時にも
同じような法則が成り立ちます。

習慣にしようとすると、
まず最初、それを始める時に、
一番大きなエネルギーが要りますね。

そして、継続して実行して
習慣になってしまえば、
それほど大きなエネルギーは
要らなくなるわけです。

継続するとエネルギーは小さくてすむ

なので、最初に頑張って、
大きなエネルギーを使って、
行動を習慣にしたのであれば、
出来れば、やめないで続けることです。

やめたいと思った時には、
いつもの半分でもいい、
たとえ10分の1でもいいので、
ほんの少しだけでも続けることですね。

完全にやめてしまうと
次に再開するのが大変です。

行動量が減ったとしても、
やめないで続ける方が、
長い目で見て、
効率が良いということです。

行動量が減っても続ける方がいい

こういう話は、言われてみれば、
当たり前の話なのですが
なかなか実行は難しいです。

習慣になったことを
やめるということは、
いろんな理由をつけて、
誰でも、いつでも
簡単に出来てしまいます。

でも、次に再開したいと思った時に、
ものすごく大きなエネルギーが要ります。

習慣をやめるときには
その点は、覚悟しておく必要が
あるのかなと思います。

 

ムッシュスカラー

 

PS:もちろん、たとえ良い習慣であっても、どうしようもない理由でやめざるを得ない場合があります。その時には、くさらずに、淡々と、再開の時期を待つことです。そして、その時がきたら、少し頑張って再開していくことですね。もちろん、その時には、すぐに以前のように出来るようにはなりません。そのことに焦らないことが大事ですね。もとどおりに出来るようになるには時間がかかりますから。

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