「転ばぬ先の杖」は大切ですが…

「転ばぬ先の杖」ということわざがありますね。
これが常に出来ていれば,人生困ることはないわけです。

でも人生には,想定外のことは常に起きるものですよね。
転ばないように杖をついていたとしても,人がぶつかってきたり,強風にあおられたり,車にはねられたりすることもあります。そんなびっくりするような理由で,転んでしまうことはありますね。

もちろん,想定出来ることに対しては,対応マニュアルを作ったりして,準備することができます。想定外というのは,その想定の規模を超えたり,また,想定していたのとは全く違った形でやってきますね。そんな時には,事前に用意した対応マニュアルは通用しません。

杖をついていても倒れることもある

冒頭の話で言えば,倒れないために杖をついていた,ところが,人がぶつかってきたり,強風にあおられたり,車にはねられたり,そんなことが起きた場合です。

「倒れないようにするには,こうやって杖を使います。」というマニュアルはあっても,「人にぶつかってこられたら,こうやって杖を使いましょう。」というマニュアルは,たぶんないわけです。

そういう想定外の事態に遭遇したとき,どのように対応するかは,自分で判断をしなければなりませんね。その場合の,判断のもとになるのはなんでしょうか?

想定外の対応のためには?

おそらくそれは,自分の経験でしょうか?
たぶんそれが一番大きそうですね。

それ以外だと何があるでしょうか?
他の人から聞いた話でしょうか?
たぶん,それくらいが思い当たることでしょうね。

で,この話を,もう少し大きく考えると,この「他の人」に,今の時代の人だけではなく,過去の時代の先輩方も,含めることが出来ます。

先輩方の経験=歴史

私たちの先輩方は,さまざまな想定外の事態が発生した時に,どんなふうに考えて,どんな行動をとったのか?そんな先輩方の経験(事例)の情報は貴重です。こういう先輩方の経験(事例)が,「歴史」と呼ばれるものですね。歴史の勉強をする意味はそんなところにあるのかもしれませんね。

今から思えば,自分が若かった時に,尊敬する先輩方は,「歴史は勉強しておいた方がよい」ということをよくおっしゃってました。

でも,正直に言うと,自分が若かった時には,「歴史を勉強することに,いったいどんな意味があるんだろう?」なんてよく思っていました。学生時代,歴史の勉強というのは,単純に「過去にあった出来事を覚える」,そんな程度のことしか考えていませんでした。

歴史の勉強

日本史だったら,「何年に,日本でこういうことがあった。」
世界史だったら,「何年に,世界のこの国でこういうことがあった。」
恥ずかしながら,若い時の自分の歴史に対する認識は,本当にその程度でした。

なので,先輩方が,歴史について,熱心に,いろいろと語っておられるのを聞いても,あまり,何も感じませんでした。

でも,ある程度の年になってくると,いろいろな想定外の事態を経験します。自分の経験だけではどうしようもないことに,何度も遭遇するわけです。そんな時に,先輩方のアドバイスは本当に貴重です。

先輩方の経験は貴重な情報

で,その先輩方のアドバイスはいったいどこから来ているのかというと,それは,その先輩方の,さらに先輩方の経験である場合が多いです。これが,大きくつながっていくと歴史の話になるんだろうと思います。

よく言われることですが,今,この世のなかで起きていることのほとんどは,過去にも,似たようなことが起きているんだそうです。まったく今回が初めてということはまれだということです。もちろん,過去に起きたことと,全く同じということではなくて,すこしかたちをかえて,繰り返されているということなんだそうです。

たとえば,今回の新型コロナウイルスの流行(パンデミック)についても,過去に「スペイン風邪」,「ペスト(黒死病)」などの有名なパンデミックがありました。それ以外の自然災害(地震・風水害等)でも,たいていは,過去に同じようなことは起きているようです。

歴史は繰り返す

さきほども書きましたが、過去の事例と現在の事例は,まったく同じ形で現れるわけではありません。ですので,今,起きていることが,過去の繰り返しだと認識するのは難しいかもしれません。現在起きていることは,昔よりも規模が大きかったり,科学技術の進歩の結果,過去とはかなり違って見えたりします。しかし,よーく見てみると,「歴史は繰り返す」というのは本当のことのようですよ。

そんなことを考えるにつけ、こういう大変な時こそ,過去の歴史を勉強するよい機会なのかもしれません。想定外の事態に,ただ茫然自失になって,思考も行動も停止してしまわないように、今からでも勉強することは大切かもしれないですね。

想定外の場合に,その対応策を,まったくゼロから考え始めるのは大変です。それよりは,過去の歴史(事例)を参考にしていくとで,少しは考えやすくなるのではないかと思います。

ということで,今日も最後までお読みいただきありがとうございました。


ムッシュスカラー


PS:過去の歴史というと,ちょっと大げさですかね。この歴史の中には,今,生きている先輩の話というのも含まれます。もちろん,その先輩の中には,会社の先輩や,両親も含まれます。人生の先輩の経験を,直接お聞き出来るのは,本当に貴重なことだと思います。

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