高校時代に、部活動で
剣道部の主将を
していたことがあります。
その時のお話です。
同期の剣道部の部員は、
剣道の技術という点では、
おそらく、自分よりも
優れていた人が多かったように思います。
そんな中で、なぜ、自分が
顧問の先生と、上級生から
主将に指名されたかというと、
それは、単純です。
練習をさぼらずに、
ひたすら毎日練習に来ていた、
ただ、それだけです。
他のメンバーは、
同期は、確か8人くらい
だったと思います。
彼らのほとんどは、
練習に、毎日は、来てませんでしたね。
本当に、さぼっていたのか
あるいは、塾などに通っていたのか
そのあたりの、詳しいところまでは
聞いたことはありません。
とにかく、ほとんどのメンバーが、
「週に1回とか、週に2回は、
練習に来ない日がある。」
という感じでした。
まあ、逆に言えば、
日曜日以外、週に6日練習があるとして
(当時は、土曜日も授業がありました)
週に4回か、週に5回は、
練習に来ていたわけです。
週に4回、5回は練習に来ていたが…
まあ、週に4回か、週に5回
練習に来ているなら、
今の感覚だと、
「うん、結構、頑張っているよね。」
そう思えるくらいですよね。
でも、当時の私は、
とっても純粋で、世間知らずでした。
なので、
「部活というのは、
好きでやっているんだ。
だから、絶対に、さぼらないものだ。
練習は、毎日参加があたりまえだ。
さぼるなんてもってのほかだ。」
と信じていたわけです。
まあ、今から思えば、
なぜ、そこまで、かたくなというほど
そういう考え方だったのか
不思議と言えば不思議です。
(おそらく、親の影響だと思いますが…。)
かたくなと言えるほど考えていた
でも、とにかく、
当時の私はそう信じていました。
なので、主将になって、
部活動全体をまとめるという立場になった時に
練習をさぼる同期のメンバーに対して
「好きだからやっているのに、
さぼるなんて、許せない。
下級生に示しがつかない。」
なんてことを真剣に考えてました。
ある時期などは、思い詰めて、
同期のメンバーに対して
「部活に毎日参加するか、そうでなければ退部する」
というような、「究極の二者択一の選択」をさせる、
などということまで
考えていたことがありました。
実際に、そのための文面まで作って、
そんな、とんでもないことをする
本当に一歩手前までいったことがありました。
究極の二者択一を迫る
結局、それは実行しないで終わりましたが、
今でも、その時のことを思い出すと
「なぜ、あそこまで自分を追い込んでいたのかな?」
「なぜ、まあまあ、ということを考えられなかったのかな?」
と考えてしまうことがあります。
もし当時の自分が、
今の自分くらい経験があれば
全然、問題なく、
同期のメンバーを受け入れて
上手にやっていたと思います。
でも、当時の自分は、人生経験が少なくて
世間を知らず、自分以外の人というのを
全然、わかっていなかったなあと
本当に、心からそう感じます。
結局、「究極の二者択一」を求めなかった
というか、それが出来なかった最大の理由は、
とっても、普通のことでした。
出来なかった最大の理由
つまり、なんだかんだいっても、
同期のメンバーが、楽しいメンバーで
個性的で、面白いやつらだったからです。
一緒にやっていきたかったからでしょうね。
それと、もうひとつ、
不思議に感じるかもしれませんが
同期のメンバーについて
以下のようなことも考えていました。
「あいつら、毎日練習に来なくても
自分と同じくらいの技術を持っている。
となると、あいつらが、毎日、練習に来たら、
あいつらの技術の方が、自分よりも上になる。
そうなると、自分は勝てないな。
そうなると、自分の立場がなくなるな。」
そんな、高校生らしからぬ考えですね。
なんとういか、自分の保身を考える
大人のようなことを考えていた、
そのことも覚えています。
でも、それは別の見方から言うと、
「おまえら、時々さぼっても、
これくらいすごいんだよ。
だから、毎日練習に来れば、
もっとすごい人になれるよ。」
そう伝えたいという気持ちもありました。
メンバーへの思い
実際に、メンバーの何人かと
そういう話をしたこともありました。
でも、メンバーから返ってきたのは、
「いやいや、おれら、そんなすごい人に
なるつもりはないよ。今のレベルで十分。
そんな心配はしてくれなくていい。」
という感じでした。
とはいえ、試合になると、
「負けたくない、勝ちたい」
という雰囲気は、彼らからも伝わってくるので、
「なんだかなあ。
勝ちたかったら、練習に毎日来いよ!」
というような、やりきれない気持ちで
当時は過ごしていたということです。
まあ、とても個人的な昔話ですが、
人をまとめるという場合に、
私の高校時代のようなことは、
私以外の人であっても、
普通に起きている問題なのかもしれませんね。
そのような時に、どうするか?
いろいろな人のマネジメントについて、
さまざまなやり方があると思います。
人のマネジメントはいろいろ
でも、結局のところは、
ケースバイケースです。
一律の正解はありませんよね。
ただ、一つ、普遍的な
正解があるとしたら、それは、
「相手をどうこうする」
というよりは、
「相手に合わせて、自分をコントロールしていく。」
最終的には、そこに落ち着くのかなと思います。
どのような世界においても、
「相手を自分の思うように変えること」
それは不可能です。
これは、天地がひっくり返っても
おそらく不可能なことです。
(天地がひっくり返った経験がないので
本当のところはわかりませんが…)
つまり、「相手は変わらない」なら、
「自分が変わる」ということしか
選択肢はありません。
もちろん、「自分を変える」というのは
これこそ至難の技です。
自分を変えるのは至難の技、でも…
ただ、「相手を変える」のとは違って、
「自分を変える」というのは、
自分の努力次第で、実行は可能です。
とても難しいですが、不可能ではありません。
自分次第で、なんとかなる部分ですね。
今は、私は、社会において、
人をまとめるような立場ではありません。
ただ、個人的には、
一人の親として、
子供達との関係を考えた時に、
今まで以上に、胸を張って
生きていけるようにすること。
そうなるように、
さらに自分を変えていくこと、
それは、死ぬまで、ずっと
課題にしていきたいなと思います。
まあ、とはいえ、
そんなに肩に力を入れ過ぎずに
頑張りたいと思います。
ムッシュスカラー
PS:私の両親は、すでに他界していますが、親というのは、やはり、自分にとって、特別な存在ですね。亡くなるまでのしばらくの期間、介護ということで、一緒に過ごす時間が増えました。その時の親の姿が、将来の自分の姿を予言しているわけです。いろいろなことを感じました。一番、強く思ったのは、自分が逆の立場になった時に、子供達に心配をかけないようにしたいなということでしたね。なかなか難しいことなんでしょうが、頑張りたいと思います。