今、アマゾンの電子書籍(Kindle)で「モンテクリスト伯」を読んでいます。なかなか面白いです。
モンテクリスト伯は、若い時に、別の訳で、紙の本で読んだことがあります。もちろん、その時も、面白かったのですが、訳が今回のKindle版とは違っています。前に読んだ紙の本は処分してしまって手元にはないのですが、ネットで調べてみると、岩波文庫だったようです。今回の電子版は、講談社文庫版のようです。
今回のKindleは紙の本は無いようです。電子版だけのようですね。
以前の岩波文庫と、今回の講談社文庫では、訳がかなり違うようですが、正直なところ、私には、その違いはよくわかりません。アマゾンのレビューを見ると、講談社文庫の方が良いという意見がありましたが、個人差があるでしょうから、やっぱりよくわかりません。ただ、今回は、前回よりも、話に引き込まれる感じが強い気はしています。
今回の方が面白い
ただ、それについては、前回は、先輩から、「この本は面白いから一度読んでみたらいいよ」と勧められて、半信半疑で読んでみたからかもしれません。今から思えば、読書について、あまり積極的ではなかったのかもしれないですね。かなり前なので、よくは覚えてませんが、とりあえず、試しに読み始めてみたという感じだったと思います。
で、とにかく長い話なので、読むのが大変だったことは記憶しています。でも、やっぱり面白かったんでしょうね。なんとか最後まで読めました。
で、なぜ、今回、また読もうと思ったのか、それは、前回、読み終えたあとに、もう1回読みたいなと思っていたからです。正直なところ、登場人物が多くて、話が長くて、すこし人物像が理解しきれていないところがあったような記憶がありました。すごい内容の話なので、もう一度、しっかり読みなおしたいなと思っていたからだと思いますね。
ただ、当時は、他にやりたいことがあって、読書に時間を回そうとは思わなかったんですね。なので、読みたい気持ちはありながらそのままになっていたということです。
それと、今回、もう一度読もうと思った、もう一つの理由は、時間が取れるようになったからですね。今年の4月に定年退職をして、再雇用になりました。そのおかげで時間が出来ました。
それまでは、1日48時間は欲しいと思うような生活をしていましたが、最近では読書の時間が取れるようになりました。これまで、やりたくても仕方なく後回しにしていたことが出来るようになってきたということです。
時間が取れるようになりました
読書はその典型ですね。正社員で忙しかった時には、読書、特に文芸作品の読書は後回しになってました。仕事に直結するビジネス書などは、何とか時間を作って読んでましたが、全体的に読書の時間は少なかったですね。
今、読書の時間が取れているというのは本当にありがたいことだと思います。そして、今、「モンテクリスト伯」を改めて読んでいて感じることがあります。それは、おそらく前回読んだ時より、たくさん感動しているということですね。
特に文芸作品、その中でも名作、古典と言われているものは、世界中で古くから読み続けられているものです。なぜ、今まで読み継がれているのかといえば、世界中の多くの人たちが感動する内容が書いてあるからだと思います。しかも、どの時代でも変わらず読み続けられているのがすごいですね。なんというか普遍的に時代を超えて、世界中の人を共感させるというか、感動させるものがあるということなんだろうと思います。
名作、古典のすごさ
この物語も基本は復讐の話なのですが、登場する人物が、善人も、悪人も、それぞれものすごく個性的です。人間の感情の動きというのが、本当に繊細かつ大胆に生々しく描かれています。特に感情の表現が見事だなと思います。感情の動きを、感情そのものを書くのではなく、表情や身体の動きといった間接的な、しかし直感的に感じることができる表現で、見事にうったえてくるものがあります。
また、単なる復讐劇にとどまらず、物語の中には、背景として、数々の歴史的な史実が含まれています。当時のヨーロッパの雰囲気、そこに生きていた貴族、政治家、民衆、軍人、ジャーナリスト、本当にいろいろな人の考え方、生きざまというのが、生々しく描かれています。
もちろん、当時のヨーロッパの人々の考え方、生き方と、今の日本人の考え方、生き方は違っているところが多いでしょうね。でも、それでもなにかしら通じるところはあるように感じます。実際、「モンテクリスト伯」の本の中には、東洋の世界の話はよく出てきます。また「日本」という言葉も度々登場しますね。
日本も出てきます
古典、名作として読み継がれてきている本というのは、やはり人を引き付けるものがあるんでしょうね。
私個人の話としては、前回、この本を読んだ時には、ヨーロッパの歴史の知識がほとんどありませんでした。でも、今回は、この時代のヨーロッパの歴史について、前回読んだ時よりも、かなり詳しくなっています。おそらく、そのせいだろうと思いますが、前回よりは、物語の中に自然に入り込んでいけている気がします。何も知らなかった子供が、大人になった、そんな感覚でしょうか?
歴史を知ると面白い
「六十過ぎのおっさんが、今更なにを言ってるの?」という感じかもしれませんね。でも、実際、前は何も知らなかったなあと思います。本当にそう思いますよ。
こういう本を読むたびに、「読書はいいよなあ。」「知識がたくさんあるのはいいよなあ」、本当にそう思います。知識がたくさんあればあるほど、たくさん感動できるということです。同じ一つの本を読んでも、楽しめる度合いが、全然違います。知識があるというだけで、本を何倍も楽しめるということですよね。
歴史の知識があるのとないのとでは、同じように本を読んでいても、その本から感じるものの大きさが違ってきます。これはもう、実際に感じるしかありません。歴史を勉強する前と勉強した後で、本を読んだ時に実際に感じたことを比較するしかないのだろうと思います。言葉では説明が出来ませんね。
名作、古典、読むべし!
私自身、尊敬する先輩方から、いつも言われていました。
「本は読んでおきなさいよ。特に名作、古典と言われるものはどんどん読んでおきなさい。必ず、将来のあなたの大きな財産になるよ。」
確かにそうです。今は実感しています。若い時は、言葉ではわかっていながら、出来てなかったなあと思います。
実際、今、以前より少し時間が出来て、名作、古典を読むようになって、本当に先輩方のおっしゃったことが実感できるようになりました。なので、今、その点では、とっても幸せですね。
「レバレッジ・リーディング」という本の著者の本田直之さんは、読書というのはもっとも効率の良い投資であると言われていますね。少し以前に読んだ本ですが、この本では、たしか、ビジネス書の読書について言われていたと思います。
でも、ビジネス書だけでなく、文学作品についても、名作、古典を読むことは、自分にとって、将来に向けての大きな投資になると思います。そして、それは、ビジネスの分野にも通じるものだろうなと、今なら実感が出来ます。
文学はビジネスにも通じます
実際、ビジネスで成功している人たちの多くは、世界中の名作、古典と言われるものをたくさん読んでいるということをよくお聞きしますね。文学の古典と言われるものは、現在のビジネス書で解説しているビジネスに通じるような内容が、自然と物語の中に出てきているということなんだろうと思います。
年を重ねて、経験を重ねるほど、世界の名作、古典は読んでおいたほうがよいと思えるようになりましたね。今ごろ実感しているのでは、ちょっと遅すぎたかなとも思いますが、何事も気が付いた時から始めればよいですよね。
もし、あなたが若いのであれば、時間を作って出来るだけ読書はすべきですね。それもビジネス書だけではなく、世界の名作、古典と言われるものをぜひ読んでみてください。読んでみて「ああ、読んで損した。」なんてことは、まずないと思います。おすすめです。
ムッシュスカラー
PS:アマゾンのKindleには、Kindle unlimitedというサービスがありますね。別にアマゾンの回し者ではないですが、このサービスはいいなあと個人的には思っています。いわゆる定額制で読み放題というやつです。月単位で読み放題の本が変わります。先日も、宮城谷昌光さんの本が読み放題になっている月があって、「おおっ、すごい、この本が読み放題で読めるのか?」ということで「重耳(全3巻)」を読みました。
PPS:で、よし、その次の月も、また他の宮城谷さんの本も読むぞと思っていたら、その次の月は読み放題からは外れてしまってました。定価での購入になってました。うーん、なるほど、そういうことか。うまいビジネスだなあと妙に納得した次第です。