あなたは、「便秘」の仕組みを
御存じでしょうか?
以前、製薬企業に勤めていた関係で
薬の副作用としての便秘については
一時期考えたことがありました。
でも、「まあ、そんなものかなあ?」
という程度の感覚でした。
正直、よくわかっていませんでしたね。
なぜ、その程度の理解で
良しとしていたかといえば、
当時の自分が、便秘で苦しむことが
あまりなかったからでしょうね。
でも、年齢を重ねるにつれて
それは変わってきました。
ここ数年の間に、2回だけですが、
風邪の初期症状の緩和ということで
少し強めの市販の風邪薬を服用したときに
強烈な便秘を経験したんですね。
トイレにいって、
いきんでも、全然、便が出てこない。
肛門の手前に、固い便が詰まってしまって、
にっちもさっちもいかない。
そんな経験をしました。
実際に経験してみて、
便秘の大変さが、身に染みました。
そうなると、この便秘ということについて、
いったい、なぜ、便秘になるんだろう?
どうしたら便秘にならなくてすむんだろう。
自然と、そんなことを
考えるようになりました。
そんななかで、
本当に、つい最近のことです。
「ああ、便秘って、こういうことなのか。」
というような、とっても納得できる情報に
めぐり合いました。
世間一般の人が
どの程度納得するかまではわかりません。
でも、個人的には、とても納得できました。
なので、あなたにも共有したいと思います。
この情報をもっと早く知っていれば
便秘で苦しむことはなかったのに
なんて考えてしまいますね。
もっと早く知っていれば
こういう情報がもっと広く
周知されていけばいいなあと思います。
最近、ネットの進歩につれて
これまで常識とされていたことが
実は、間違っていたというようなことが
どんどん、表に出てきていますね。
特に健康に関する情報などは
どんどんアップデイトされています。
それらの様々な情報と同様に、
便秘の情報についても、
今まで、まちがった常識や間違った治療が、
広く世間に知れ渡っていたんだなあ、
というのが、今の率直な気持ちです。
あらためて正しい情報から、
先入観なしに、素直に考えてみれば
本当にシンプルな話なんだな
というのがよくわかります。
先入観なしにシンプルに考える
要は、便秘の原因というのは、
二通りあるということですね。
一つ目は、腸の部分の問題。
そして二つ目は、肛門の部分の問題です。
言い換えると、便を作る部分の問題と
便を排せつする部分の問題です。
一つ目の、腸に問題がある、
つまり、便を作る部分に問題があると
便が上手に作れなくなります。
結果的に、便が水のように
柔らかくなったりします。
これが下痢ですね。
逆に、腸の中で、便から
必要以上に水分が吸収されると
便が固くなります、こうなると
排せつが難しくなります。
この場合、便秘になります。
腸の問題と肛門の問題
次に二つ目の、肛門に問題がある、
つまり、便を排せつする部分に
問題がある場合です。
この場合、便の性状に関係なく、
排せつするのが難しくなります。
具体的に言えば、便が肛門近くまで
おりてきているのに、
排せつが出来なくなるということです。
便意は感じているのに
その便意を抑えてしまうと
便が肛門の近くの直腸で
長時間、滞留することになります。
そうすると、便の水分が吸収されて
どんどん便が固くなっていきます。
そうなると、当然ですが、
固くなった便は、
一生懸命にいきんでも、
肛門から排せつできなくなる
というわけです。
固い便が肛門の手間に居座る
固い便が肛門の手前に
居座ってしまって、
そこにさらに新たな便が
大腸からおりてくると
固い便の上に、あらたな便が積み重なって
ますます排せつが
出来にくくなるという感じです。
以上のように、
腸の問題と、肛門の問題
この二つを分けて考えないと
便秘は全く改善しないし、
間違った対処をすると、
さらに悪化するということです。
で、大事なポイントは、
便秘で苦しむ人の
8割以上は、腸の問題ではなくて
肛門の部分の問題で
便秘になっているということです。
ものすごく、単純に、
はしょって説明すると、
8割以上の人の便秘は
以下のようにして発症するそうです。
8割以上の人の便秘の仕組み
軽く便意を催した時に、
排便せずに我慢する。
たとえば、学校の授業中に
便意を催しても、恥ずかしくて、
手を上げて先生に
知らせることが出来ない。
また、友達の手前、
学校のトイレで大便をするのは
ちょっと恥ずかしくて我慢する。
そういう経験は誰にでもありそうです。
この便意を我慢することが当たり前になる。
ここが問題なんですね。
そうやって、便意を我慢していれば、
そのうちに便意は消失してしまいますね。
誰でも経験があると思います。
誰にでも経験があることですが…
「ああ、トイレに行かなくてすんだ。」
と安心することがありますね。
でも、それこそが問題なんです。
そうやって便意を我慢するという時に、
身体の中で何が起きているかというと
「便が肛門の近くまで下りてきたよ。
排便しないといけないよ。」
という身体からのメッセージ、
「排便のベストタイミングは今です」
ということなのですが、
それを徐々に無視できるように
なっていくということです。
言い換えると、
自然な排便が出来なくなるように
一生懸命にトレーニングをしている
ということです。
そして、一生懸命に
便意を我慢するトレーニングを
継続するとどうなるか?
便意を我慢するトレーニングをすると
最終的には、便が
肛門近くまで下りてきているのに
「今が、排便のタイミングですよ」
という感覚自体を感じられなくなるんです。
そうなるとどうなるか?
肛門のすぐ近くの直腸に、
便がとどまった状態が
長時間にわたって継続するということです。
そうなるとどうなるか?
たまった便からは水分が吸収されて
便がどんどん固くなっていきます。
そうするとわかりますよね。
固くなった便は、肛門から
排せつするのが、ものすっごく難しくなります。
固くなってしまって、
肛門を通過できない状態になるわけです。
固くなった便を
無理に出そうとすると
肛門が切れてしまって、
痛みもありますし、
出血したりもしますね。
肛門が切れてしまって大変
このような状態で、
下剤を服用しても
効果は限定的です。
なぜかといえば、
多くの下剤は、肛門ではなく
腸の部分に作用します。
腸で、便が作られる段階で、
便をやわらかくするように作用したり
あるいは、腸の蠕動運動を刺激したりします。
しかし、これらの下剤というのは、
肛門近くで、すでに
固くなってしまっている便を
柔らかくはしてくれません。
となると、下剤の作用で
小腸から大腸と食物が移動する中で、
柔らかい便がつくられても、
その便は、肛門近くで固くなって
滞留している便に邪魔されて
すんなりと排せつがされません。
居座った便が邪魔をする
肛門の手前に固い便が
居座っている場合には、
柔らかい便が排せつされるとしても
居座っている固い便と肛門の隙間を
柔らかい便がにじみ出てくるような感じで
排せつされることになります。
こうなると、スッキリとした
排せつにはなりません。
すでに固まっている便は、
肛門の手前で滞留したままです。
腸の蠕動運動を
活発にする下剤を使った場合でも
話はあまり変わりません。
薬の作用で、腸の蠕動運動が活発になって
小腸から大腸、大腸から直腸
そして、直腸から肛門へと、
便の移動はスムーズにいくかもしれませんね。
でも、そこまで順調にいったとしても、
最後の肛門付近に、
すでに居座った固い便があると
まさに、フン詰まりの状態になって、
便が直腸内にどんどん
積み重なっていく感じになります。
結果的にお腹が張るという感じになるわけです。
フン詰まりの状態になる
こういう肛門近くに
固い便が居座った状態が、
慢性的な便秘の状態なんだそうです。
要は、便意を我慢することを
当たり前にしてしまった結果、
便が肛門手前で固まってしまって
出てこなくなった状態、
それが多くの人の便秘なんだそうです。
そうなると、第一の対処法は、
とてもシンプルです。
とにかく、まずは、
その固くなった便を出すことですね。
具体的には、用手摘便
つまり、手の指をつかって、
固い便を、かき出すこと。
あるいは、浣腸ですね。
ただ、用手摘便、浣腸などの手法は、
素人がやると、肛門付近の粘膜を傷つけたり
迷走神経反射で、めまい、立ち眩みなどで
危険な状態になる可能性があるそうです。
素人がするのは危険です
これらの手技手法については
素人がやるのではなく、
専門の病院を受診するのがよいようです。
あとは、予防策としては、
少しでも便意を催したら、
ただちに排便すること、
それに尽きます。
実際に排便できなくても、
とにかくトイレにいって
排便しようとする習慣をつけることです。
便意を敏感に感じられるようになれば
自然な排便というのが
自然な身体の感覚として戻ってきます。
本来の人間の自然な感覚ですね。
そうすれば、自然と便秘に
悩まされることはなくなりますね。
少しでも便意があればトイレにいく
自分自身は、今、そのような
状況を目指して、少しでも便意を
もよおしたら、迷わず
トイレに行くようにしています。
確かにそうすることで、
少しずつですが、便秘からは
解放されつつあるように思います。
ちなみに、
今日のお話のもともとの情報は、
以下の2冊の書籍からの引用です。
1.「便秘の8割はおしりで事件が起きている!」
佐々木みのり著、日東書院
2.「痛み、かゆみ、便秘に悩んだらオシリを洗うのはやめなさい」
佐々木みのり著、あさ出版
興味のある方は、購入して
読まれるといいと思います。
著者の佐々木みのり先生は、
大阪の肛門科の専門医です。
とてもわかりやすく書かれていて、
違和感なく受け入れられる内容でした。
おすすめの本です。
ムッシュスカラー
PS:MRをしていた時代に、この本の内容を理解していたら、薬の副作用としての便秘についても、もう少しましな情報提供が出来たのになあ、なんてことを思います。それくらい、知ってしまえば当たり前のことなのですが、まちがった常識で、目が見えていなかったなあと思います。
PPS:まあ、それでも、今日知ったのなら、今日からです。自分の身体を健康に維持するために、便秘フリーの生活を実現したいと思います。