ビルのウィンドウに映った
自分の姿を見て，
「あっ，背中が丸まってる。」
そう思って，背筋を伸ばす。
歩いている先にある
自動扉のガラスに映る
自分の歩いてくる姿をみて
「なんて，くたびれた歩き方をしている。」
と思って，歩き方をシャンとさせる。
洗面所で鏡に映った自分の顔を見て
「なんて，疲れた，力のない顔をしている。」
と思って，口角を上げて
笑顔を作って，そして
目もしっかりと開けてみる。
判断と動作にかかる時間はたった1秒
これらの判断と動作にかかる時間は
おそらく1秒から長くて3秒くらい。
でも，この1秒の判断があるかないかで
人生って，大きく変わるような気がしませんか？
こういう話をすると
たいていのかたは，
「そりゃあね。わかってるんだよ。
そんなこと，わかってる。
でもさ，なかなかできないんだよね。
それに，すぐ忘れるんだよ。」
そういう反応が多いですね。
まあ，こうやって書いている
自分自身も，ずっと
まったく同じ反応をしていましたよね。
「そりゃあできる人は
自然にできてるんだよね。
そうじゃない人にとっては，
意識し続けること自体が難しいよね。」
という感じです。
で，ある時に，自分からみて
こういうことを，割と普通に
できていると思う人に
聞いてみたことがあります。
そうするとその人が言うには
できる人のおっしゃることには…
「ええ，そうかなあ？
僕だって，自然にできたわけではないよ。
どうしたんだったかなあ…？
そう，要は意識することを続けること。
しばらく，そればっかり考えてたよ。」
「そればっかりですか？」
「そう，そればっかり。
ウィンドウをみれば背筋を伸ばす。
そればっかり考えていたときがあったね。」
「そればっかりですか？」
「そう，しばらくはそればっかり。
だって，やること自体は簡単なことでしょ。
誰でもできることでしょ。
なぜできないか？
それは単純に忘れるからでしょ？
忘れないようにすればいい。」
「はあ，それはそうですが…。」
「あなたも，朝起きたら顔を洗うでしょ？
食後には歯を磨くでしょう？
これと同じじゃないかな？
小さいとき，習慣になるまでは
そればっかり考えてませんでした？
そうしないと叱られたでしょうしね。
朝の洗顔，食後の歯磨きと一緒
店のウインドウに自分の姿が映ったら
背筋が伸びているか？
変な姿勢になっていないか？
いつも姿勢に気をつけることを
習慣にすればいいよね。
自動ドアに自分の姿が映ったら
しっかりと歩いているか
確認するのを癖にしたらいいよね。
洗面所で鏡に顔が映ったら
笑顔を作ることを
習慣にしたらいいよね。
朝の洗顔や，食後の歯磨き，
これはたぶん本能ではなくて
習慣化されたものでしょ。
生まれたままの赤ちゃんは
自分で顔を洗おうとしないし
歯を磨こうとしないよね。
まあ，もちろん，赤ちゃんは
最初は歯自体がないけどね。
だから，習慣にすれば，
誰でもできることだよね。
要は，本気でそれを
習慣にする気があるかないか？
それだけってことかな。
要は本気かどうか，それだけ？
それをすることが
本当に自分にとって
いいことかどうかを，
どう考えているかだよね。
僕は，年を重ねてから
背中が曲がっているのはいやだし，
できればかっこよく歩き続けたいし
できるだけ笑顔でいたい。
そう思うからやってるだけ。
自分のためだけだよ。
別にやらんかったから
すぐにどうこうなるわけじゃなし
しない人をどうこう思うこともない。
小さいときと違うのは
洗顔や歯磨きはやらないと
親から叱られたけど，
こういうのはやらなくたって
誰からも叱られないよね。
強いて言えば，そこだけが違うかな？
でも，まあ，あなたも
立派な大人だから
あとは自分で考えてね。
立派な大人なら自分で考えてね
あなたがどうであれ，
僕はやる，それだけだね。」
と，とってもシンプルで
わかりやすいお話をしてくれました。
うーん，返す言葉が無かったですね。
さて，あなたはいかがですか？
年を取っても，
背筋はまっすぐがいいですか？
きれいな歩き方がいいですか？
いつも笑顔がいいですか？
もし，良ければ，
冒頭で書いたことを
習慣にされるといいですね。
私も今，習慣化しようと
ぼちぼちやっているところです。
お金はかかりませんし，
特別な器具もいりません。
合理的に，
損か得か考えれば
間違いなく得ですね。
得ならやればいいですね。
それだけです。
ムッシュスカラー
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