
よく世間では,「褒め育て」と言います。
その人の良いところを
褒めて伸ばしてあげる。
というようなことです。
でも,あくまで個人的見解ですが
「褒める」だけでは
育てきれない部分というのは
たぶんあるように思います。
褒めるだけでは,人間,伸びきれない
先日,長男と久しぶりに
話をする機会がありました。
長男は,新入社員として
会社にはいって2年目で,
最近部署が変わりました。
「いやあ,今の部署の上司は
大変なんだよ。
全然,褒めてくれないんだよね。」
「ええっ,そうなの?」
「前にいた部署の
自分の仕事のレベルとしては
十分すぎるくらいの仕事をして
それなりの結果を出したんだよね。
それで,
『これだけやりました。』
って,言うと,
『これしかやってないの?
こんなの,できて,あたりまえでしょ。
問題は,その先だよ。
そこからどうしようと思っているの?
そこからが本当の仕事だよ!』
って言われて,
『ええっ,そりゃあ,まあ,
そうなんですけど,そこまでは…。』
って返事に詰まると
『それじゃあ,だめだよ。全然,だめ。
はい,これも,これもやりなおし。』
という感じで,前だったら
少しくらい褒められたんだけど
全然,褒めてくれないんだよ。」
上司が全然褒めてくれない?
「なるほどね。褒めてくれないのか。
そうか…,それは,たぶん,
求められる仕事のレベルというか
ハードルがずいぶん上がったんだね。
でも,それは,『こいつならやれる』って,
認めてくれているからだろうと思うよ。
私だって,『こいつならやれる。』
と思う人を育てるときは
どうしても厳しくなるもん。
厳しいというか,
求めるレベルが上がるのよ。
ごく普通の人に対してなら
100点満点の60点でも
『やった,できたじゃない。
大したもんだ,すごいね。
よくがんばったよね。』
って,言うよね。
まあ,いわゆる『褒め育て』
ってやつね。
もちろん,この育て方は
とっても良いから否定はしない。
私も基本はこの育て方だよね。
褒め育てが基本です。でもね。
でもね,
『こいつはできる!
かなりのレベルの仕事ができそうだ!』
そう思ったら,
100点満点の90点だったとしても,
『何やってる!君がその程度で
満足して,どうする。
君なら100点満点を目指さないと。
君はそんなところで
止まっていたらいかん。』
って,たぶん言うと思う。
それは,意地悪で
言っているのでなくて
むしろ,認めているから
言っているんだよね。
意地悪ではなく認めているからこそ褒めない
まあ,そんな感じかな。
だから,上司が厳しいというのは
認めてくれているからこそ
そういう場合が結構多いよね。
もちろん,単純に,上司の性格で,
ただ厳しいだけの人もいるから,
それは一概には言えないけど,
まあ,仮にそうであっても
基本は,自分のゴールのレベルを
自分であげて,少しでも
レベルアップすることかな。
なかなか難しいけどね。
それに,そのくらいのレベルになると
上司の方で,『ここまでやれ!』
という指示は,ほとんど出さないかなあ。
『どこまでやったらいいか
教えてほしいって?
君は何を考えているんだ?
君は言われたことしかできないのか?
それも自分で考えるんだよ!』
言われなくても,自分で考えて,やる。
徐々に,そういう
スタンスになってくるかな…。
『上から言われたことだけやる
それしか出来ないなら,
リーダーにはなれないよ。』
そんな感じかな。
厳しい上司であっても
自分なりに考えて
自分なりに行動していって
きちんとレベルアップしていけば
きちんと評価はしてくれる。
まあ,さんざん,
『君はバカか?』
『この程度の仕事しかできないのか?』
なんて,言われるかもしれないけどね。
優しい人と厳しい人,どっちがいい?
人当たりは優しいけど
刺激が少ない人よりは
いいかもしれないね。
そういう優しい人の下では,
人間,どうしても
楽な方に流れるからね。
よほど,成長に対する
意識が高い人でないと
優しい人の下での
成長は難しいと思う。
たいてい,そういう厳しい人は
自分にも厳しいことが多いし
もしかすると,若いときに,
その人の上司から同じような
教育を受けたんじゃないかと思う。
ただ,このタイプの人は
誰からも教えてもらわなくて
自分だけで,ほぼ完ぺきに
出来ちゃってるケースもあるから
上司になって,部下を持った場合,
けっこう,難しい部分はあるのかもね。
でも,最近では少ないかな,
そういうタイプの人は。
それに,最近では,厳しくすると,
すぐにパワハラとか言われるからかもね。
厳しい人は最近は少ないかな?
いずれにしても
『高いレベルでの
仕事を要求される部署,
高いレベルの人材育成の
現場に行っちゃった。』
という感じかな。
まあ,考え方だけど,
そんな現場は今は少ないよね。
たぶん,経験したくても
経験できる人は限られているかも。
でも,間違いなく,後から考えれば
今みたいな環境が
一番,自分が伸びていたとき
そんな気がするときがくると思う。
ただ,つぶれてしまっては
元も子もないから,
しんどくなったときは
また,話をしてくれたらいいよ。」
という感じで話をしました。
人育てというのは
本当に難しいと思います。
もちろん,子育ても同じです。
人育て,子育ては難しい
同じ子供でも,上の子と下の子,
真ん中の子,一人っ子,
みんな違います。
一人として同じではありません。
だから,子育てもみんな違います。
一律のマニュアルなんて
あろうはずがありません。
もちろん,原理,原則というのは
あるのでしょうが,最後は
個別に考えていくことになります。
ガイドブックや参考書などは
文字通り,あくまで,参考ですね。
ということで今日は
長男との会話から
思ったことをつづってみました。
あなたのお役に立てば幸いです。
ムッシュスカラー
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