理想と現実の乖離
誰でも考えたことがある問題だと思います。
理想を徹底的に求めて、
とにかく理想に現実を
合わせようとする考え方
それが、理想主義です。
逆に、理想はどうあれ、
現実はこうなっている
だから、まずは、現実を見て、
そこに対応していくことが第一である。
これが、現実主義ですね。
これらの考え方は両極端の考え方です。
実際には、あなたの頭の中には、
この二つの考え方が共存していると思います。
というか、共存しているのが健全だと思います。
理想主義だけで生きるのは
かなり危ういと思います。
また、現実主義だけというのも
ちょっと物足りないなあと思います。
これら二つの考え方を
うまい具合にミックスして
現実の世の中を渡っていく。
それが上手な世渡りなのかなと思いますね。
理想主義と現実主義をミックスしていく
ただ、今の世のなかでは、
各種メディアでは、
この両極端に振り切れた考え方を
さも、世の中にはこれしかない
というようなニュアンスで
情報発信されることが多いですね。
なぜ、そういう情報が多いかと言えば
そういう振り切れた情報の方が
シンプルでわかりやすくて、
人の感情を揺さぶるからでしょうね。
特に、100%理想主義に
振り切れた情報というのは
とても、耳障りのよい情報です。
いわゆる「美辞麗句」で
飾り立てられています。
全てがそうだとは言いませんが、
聞いていて気分がよくなるような
人の弱さに上手に入り込むような
そういう情報が多いですね。
理想主義は人の弱さに入り込みやすい
その点は、大昔から変わりません。
人間、誰でも、気分よくなりたい、
また、努力をしないで、楽をしたい、
そういう気持ちを持っています。
その部分との親和性が高いのが
理想主義というものかもしれません。
逆に現実主義というのは、
現実を冷静な目で見る立場です。
現実はこうなっているんだから、
とりあえず、理想は横に置いておいて
まずは今どうするかを考える。
という感じでしょうか。
理想主義に比べると
とっても厳しい感じがしますね。
見たくない現実を見なければいけない、
なので、あんまり多くの人には
受け入れられないかもしれないですね。
でも、現実世界を渡っていくためには
この現実主義というのは、欠かせません。
まず、今日一日を、生き切る、生き残る、
そのためには、欠かせない考え方です。
現実主義は厳しいが欠かせない
よく言われますが、
夢を見ているだけでは
食べていけません。
まずは食べていけるようになること
それから、はじめて夢を語ることが
出来るようになるということです。
もちろん、最初から大きな夢を
描いていて、それが実現した
というような、それこそ
夢のようなストーリーがあります。
実際に、そうやって、
人がびっくりするような夢を実現した人も
確かに存在しますよね。
偉人伝などで残っています。
でも、それがなぜもてはやされるのかと言えば、
まず、普通の人には、あり得ないことだからです。
めったにそんな人はいないからです。
誰でも、みんな、それで夢が実現できるなら
ごく当たり前の話になってしまって、
成功のストーリーとして面白くないわけですね。
人の興味をひくのは、
めったにない話だからです。
だから人気があるわけです。
その点を間違えてはいけませんね。
めったにないから興味をひく
理想が素晴らしいものであればあるほど
その理想の実現は、
よりいっそう難しくなります。
その冷徹な現実は押さえておく必要がありますね。
理想と現実、この乖離した二つのことを
どうやって調和させるか?
最終的には、どちらかに振り切れることなく、
どちらも取り入れながら、
両極端のあいだで、絶妙なバランスを取る、
それが、最適解ということになりそうです。
そのためには、時代に合わせて、
ある時は、理想を重視し、
逆に、ある時は、現実を重視するなど、
常にバランスを修正しながら、
やっていくことが重要になりそうです。
一度決めたら、絶対に変えない
ということでもなさそうです。
ことほどさように、
バランスを取るというのは
なかなか大変です。
でも、おそらく、
人生を渡っていく上で、
一番大事なことなんだろうな
と思います。
ムッシュスカラー
PS:年を重ねれば重ねるほど、バランスということの重要性を感じます。このバランス感覚については、精神的な部分でも、身体的な部分でも、その年齢に応じてどんどん変えていく必要がありそうです。