両親の介護で思ったこと

私の両親は、
この5年ほどの間に
あいついで亡くなりました。

その亡くなる前の、
数年間というのは、
妻とともに、両親の介護を
していたことになります。

もちろん、自分たち夫婦だけでは
とても手に負えるようなことでは
ありませんでした。

ですので、ケアマネージャーさんと相談して、
デイサービスや、訪問介護などの
介護サービスも利用させていただきました。
最終的には介護施設のお世話になりました。

また、両親の病気治療のため
自分が、通院に付き添う
回数も増えました。
一緒に診察室にはいって
主治医のお話をうかがうことも増えました。

その結果として、
それまで、元気だったころには
ほとんどわからなかった
両親の健康状態のことや、
病気の進行状態のことが、
いろいろとわかるようになりました。

今から思えば、
「もう少しこうもできた、ああもできた。
介護の状況を、もっと楽にしてあげることも
できたかもしれない」
とか、そんなことを思うことがあります。

今ならもう少し役に立てたかも

特に、父にしても、母にしても
健康上の問題点というか、
かかった病気というものについて、
今なら、いろいろと予防のための
知識を持っています。

その病気にならないような
あるいは、病気になったとしても
軽い症状で回復できるような対策について
「今なら、かなりわかっているのに。」
そんなふうに、思ってしまうこともあります。

でも、よくよく考えてみれば、
父にしても、母にしても、
私のために、大切なメッセージを残してくれた
ということなのかもしれません。

それはどういうメッセージかというと
「普通に何も対策をしなければ
おまえもこういう病気になるよ。」
ということです。

何もしなければこうなるよ…

年を取った時のリスクというものを、
身をもって、私に知らせてくれたのかも
しれませんね。

実際、父や母の病院通いに
付き添っていると、
「ああ、こういうふうに、
人間の身体というのは

病気が進んでいくんだ。」
というのが本当によくわかりました。

で、主治医の先生の話を聞いていると、
「なるほど、こうなれば、
今の医学では、こうするしかないのか。」
というようなことも、よくわかります。

その当時、話を聞いた時には、
あくまで、父や母の話として
聞いていたのですが、
今は、他人事ではありません。

自分の未来を教えてくれる

自分がそのようになる可能性が
ものすごく高いということに
気付いているからですね。
特に父の様子をみていると
そう思わざるを得ませんでした。

それは、何かと言えば、
やはり遺伝ですね。
もちろん、医学データとして、
はっきりと遺伝と証明されるものは
多くはないのかもしれません。

でも、これは誰もが経験するように
年を取れば取るほど、
人間というのは、親に似てくるものです。

ささいな言葉や、ささいな動作まで、
すべて親にそっくりになってきます。
不思議ですが、それは本当です。

そして、これは
どういうことかと言えば、
生活習慣そのものが、
親に似てくるということです。

生活習慣が親に似てくるのが自然

そして、それは何を意味するかと言えば、
「どういう病気になりやすいのか」
それも、当然ながら似てくるわけです。

とくに生活習慣病というのは、
生活習慣と直結しています。
なので、何も意識せずに、
自分の思うようにやっていれば
親と似た生活習慣になります。

つまり、必然的に、
親と同じような生活習慣病になって
同じように、子供達のお世話になる。
そういうことになりますね。
これは、ごく自然の流れです。

でも、親というのは、
自分の両親もそうでしたが、
「子供達に迷惑をかけたくない。」
そういう一心で生きています。
よく、私の両親も、言っていました。

子供達に迷惑をかけたくない

病院の付き添いに行くたびに
「すまんなあ。忙しいのに、
時間を取ってもらって。」

といつも言っていました。

まだ、両親が、自分達だけで
病院に通うことが出来ていた時は、
多少、時間がかかっても、
私には連絡をしないで、全部、
自分たちだけで処理していたようです。

こちらからすれば、
「もっと早く相談してくれていれば、
もっと何とかなったのに」
ということもありました。

でも、親からすれば、
「こんなことで子供達の大事な時間を
取ってしまうのは申し訳ない。」
そんなふうに思うわけです。

親としての思い…

本当に、いつも会う度に、
そんなことを言っていました。

でも、病気になって、
自分たちだけでは、
どうにもならなくなれば
嫌でも、子供達に協力を
してもらうしかないわけです。

それは、とても
心苦しいことだったと思います。

今、自分が親の立場になって
まったく同じことを思っています。
「なるほどなあ、両親は
こんなことを考えていたんだ。」
と理解することが出来ます。

で、私が今、思うことは、
両親は、何も対策をしなければ
自分が将来、かかってしまう病気を
事前に、自分に教えてくれていたんだ、
そうならないようにがんばれ、
言ってくれていたんだ、
ということです。

両親からの宿題

私自身も、病気になった両親を見ていて
「どうしたら、この病気を快復させることが
できるんだろうか?」
そんなことをよく考えました。

もちろん、私は医師ではないので
医療行為は出来ません。
ただ、病気にならないように、
どのように健康に気を配ればいいか、
そのような話なら、いくらでも
勉強できるということです。

その当時、もっと、その方面について
積極的に勉強していたら、
もう少し、両親の役に立てたのになあ
と本当に今頃になって思います。

と、まあ、いくら後悔しても
両親が戻ってくるわけではありません。
問題はこれからのことです。

両親が残してくれた宿題について
自分がどういう答えを出すか、
それを両親はあちらの世界から
見ているのかもしれませんね。

宿題の答えを出す

両親が残してくれた宿題について
「お父さん、お母さんの出してくれた宿題、

しっかりと答えを出したよ。」
「子供達に世話をかけないでも
健康に生きているよ。」
と、両親にずっと報告し続けられるように
出来ればいいなと思っています。

そのために、やっていくことは、
自分の身体的な部分、精神的な部分、
そして経済的な部分など、
いろいろな観点から、
しっかりと勉強しつづけること。

そして、そうやって勉強したことを
実生活で実践し続けることでしょうね。

どこまでできるかはわかりませんが
とりあえず、今、そう思って
努力をしているところです。

 

ムッシュスカラー

 

PS:「親に似ている」と言われて、若いころ、「ちょっと嫌だなあ」と思っていた時代がありましたね。でも、今は、そんなことはありません。親というのは偉大だなと感じているところです。

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