セールスとかマーケティングの世界でよく言われていることがあります。それは、製品やサービスの選択肢が多すぎると顧客は迷って決められない。選択肢は少ない方が良いということです。
「迷う=買わない」ということになりがちなので、選択肢を3つ程度までにするのがよいということですね。このことはセミナーなどでも,よく言われていますね。たとえば,メニュー表の,「松・竹・梅」とか、「並・上・特上」とか、たいてい3つくらいまでにするのがよいと言われています。
この選択肢が,5個とか,10個になってくると、もう、どれにしたらいいかわからない、つまり迷うわけです。そうすると、決められないので、結局、買わないということになりがちです。
迷うと買わない
もし、その時に、迷って買わなければ、次の機会に買うかというと、そういう次の機会は来ないことの方が多いですね。つまり、買おうと思った時に、迷って買わなければ、ずっと買わないということです。
売る側からすると、製品やサービスのラインアップをたくさんにし過ぎて、顧客を迷わせると、売り上げはゼロになりがちだということです。
そういう意味でいうと、先日のブログで書いた、ネット書店でのAIによる顧客が好きそうな本の推奨は、選択肢が多すぎるわけですね。これでもか、これでもか、という感じで推奨が表示されますよね。普通なら選択肢が多すぎるので,迷ってしまって買わないとなるはずですよね。
圧倒的な広告量
でも,この場合、確かに選択肢は多いのですが、本の購入を考える機会が,これまでの商習慣から考えると圧倒的に多くなっていますよね。要は,圧倒的な広告量で何度も何度も宣伝されるということです。
スマホを開けるたびに、「この本買いませんか?」と言われているのと同じです。それだけ何度も何度も宣伝されると,たとえ、そのたびに迷ったとしても,そのうちに購入することになるという感じなんでしょうね。
人がモノを買うための条件というのは,いろいろあります。選択肢の数が多すぎるというデメリットがあっても,宣伝量が圧倒的に多いというメリットがあれば,販売は伸びていくんでしょうね。
と,少し話が横に逸れてしまいました。
始めの方に書いたとおり、人がものを買う時に迷う,そして迷うと、結局買わないで終わる。これは,よくある話です。で,その話は,我々の日々の行動でも同じですよね。迷うと,結局やらない,ってなりがちです。
迷う=前進しない
たとえば,私などは,定年前にいろいろと迷っていました。再雇用でもいいんだけれど,それ以外の選択肢も有りだよな。もし、再雇用を選択しないとしたら,あれもしたいな,これもしたいな。あっ,そうそう,前からちょっと考えていたあれもやりたい。そんな感じで、山ほどやりたいことをリストアップしていました。で,ずっと迷ってましたね。
で,そうやって迷っているとどうなるか。そうです。結局,迷うばかりで,何も前に進まないということになっていましたね。迷うというのは,私の若い時からの、心のクセです。迷わないようにしたいと常々思っているのですが、なかなか治らないですね。
で、いろいろ迷ったあげく、結局、最後は、正社員で勤務していた会社に、そのまま再雇用ということに落ち着きました。そして、いざ、やることが一つに決まったら、迷いがなくなったのでしょうね。それを中心にして、他のことも、前に進みだしたという感じです。
決めたら前進できる
まあ,これは若い時から同じです。
「あなたが自由に使える時間から考えて,そんなにたくさんのことはできないでしょう。だから絞らないとだめですよ。」
と,よく先輩方に言われました。
そうアドバイスされた時に,
「ああ,その通りですね,一つに絞ります。」
と口では言って、実際、そのつもりにはなるんです。
でも,本当のところは,なかなか絞り切れないで迷い続けていることがよくありました。そして,「一応,これに絞ったんだけど,あっちもいいよなあ。」と中途半端なままで,目の前のことに集中できないということがよくありましたね。
中途半端では成果が出ない
まあ,当然ですが,そんなことをしている時には,仕事の成果も中途半端です。必然的に,先輩方から「成果が出ていない」とお叱りを受けるということになります。
確かに,やりたいことが山のようにあっても,すべてのことが出来るわけもありません。やっぱり、まずは3つくらいまでに絞り込むことですよね。で,とりあえずは,その中から最優先の一つに絞って取り組む。
でも,一つだけに集中しすぎると,私の場合は,すぐにしんどくなってきます。なので,あと一つ,二つくらい、その次に集中できるものを用意しておく。今は,そんな感じで,やっているところです。
迷わないなら素晴らしい
あなたは迷わない性格ですか?それだったら素晴らしいです。
60歳を過ぎたおっさんが言うのもなんですが,迷わないで行動できるように,これからもやっていきたいなと思います。永遠の課題ですね。
ムッシュスカラー
PS:迷うと一言でいっても,程度はいろいろですね。まあ,若い時よりはいくぶんかはマシになっていると思います。
PPS:もしかすると、アマゾンのおすすめ本の推奨のように,いつも、誰かから、あれもやれ、これもやれと、言われ続けていれば,迷うことなく、多くのことを同時に出来るようになるのかもしれませんね。でも、それはしんどいですよね。なので、私は嫌です。