最近、第二次世界大戦よりも
前の時代、いわゆる「戦前」の、
日本の政治家、思想家、作家、
また、それ以外の人の
様々な著作を読む機会があります。
そこで、痛感するのは、
戦前の日本人というのは、
とても冷静に世界を観察し、
かつ、冷静に分析をしていて、
視野がものすごく広かったらしい
ということです。
情報の収集や分析も、
非常に素晴らしく、
いわゆる情報機関というものも
世界の大国のレベルに近かったようです。
当時は、今よりも、
情報が共有されるスピードは遅く
また、入手が可能な情報量も
今ほど十分ではなかったと思われます。
それにも関わらず、
当時の世界の状況を
非常に適格にとらえていて
当時の米国、欧州、アジア、インド、
さらには、中東、ロシア、南米にいたるまで
かなり的確に把握をしていたようです。
また、当時の日本の
置かれた状況というのは
アジアの有色人種として、
初めて世界の主要国の中に
割って入ったということで、
欧米列強と言われた各国からの
政治的、軍事的な圧力というのは
非常に強かったようです。
欧米列強の圧力は強かった
逆に言えば、
欧米諸国から見て
日本というのは、
放置できないくらいに
力をつけていた国だった
ということのようです。
このあたりの世界史について
正確な情報が、今の日本の
学校教育の中には、ほとんど、
入ってきていないようです。
もっと言えば、
そのあたりの歴史が、
すっぽりと日本史の情報から抜け落ちている、
そのような状況になっているようです。
実際、学校の日本史、世界史の授業でも、
明治維新から、第二次世界大戦までの
日本の世界における立ち位置については、
ほとんど教えられていないようです。
特に高校の世界史、日本史などは
古代、縄文時代から授業を始めて、
明治維新くらいまでくると
たいてい、時間切れになりますね。
明治維新以降は時間切れ?
それで、明治から現代にいたるまでの
日本も含めた、生々しい世界の戦争の歴史、
当時の世界や日本の状況については、
ほとんど、今の若い世代には、
知らされていないようです。
若い人にとって、
とても大事なのは
なぜ、どのような経緯で、
自分は、今の、この時代の
このような世界情勢の中で生きているのか?
そのことについて考えることです。
両親、その両親、
そして、さらにその両親、
そうやって世代をさかのぼり、
それぞれの時代で、
どのようなことがあったのか?
自分の両親や、自分の祖父母、
さらに、曾祖父、曾祖母たちは、
どうやってその時代を生きてきたのか?
両親、祖父母はどう生きたか?
そのあたりの事実を
しっかりと知って、
理解できるといいですよね。
過去から現代まで、
受けつがれてきたもの、
もちろん、何よりも命がそうですし、
それと同時に、歴史ですね。
歴史を知ることで、
自分の命の尊さがわかりますね。
自分の歴史、自分の先祖の歴史、
そして自分の国の歴史、
これらを十分に知ることで、
先人たちが何を考えて
どのような行動をとってきたかを、
知ることができます。
自分の歴史、自国の歴史について
できるだけ正しい事実を知ることが
これからの未来を生きていくのに
とても重要な条件になりますね。
歴史を知ることが未来の条件になる
自分の歴史を知ることというのは、
自分の両親のこと、祖父母のこと、
さらにその先の歴史を知ることです。
同時に当時の歴史の背景がわかると
より理解が深まるのでしょうね。
そうすることで、自分自身に対しても
また、自分の先祖に対しても
尊厳というか、感謝のようなものが
自然に生まれてきます。
これは、自分の血筋がどうとか、
自分の先祖の身分がどうとか、
そういう話ではありません。
自分をこの世に産んでくれた
両親を含めた先達を思うことです。
両親がいなければ自分はいないわけです。
ひらたい言葉で言えば、
遠い過去から、現在まで
命をつなげてくれた
ご先祖さまたちに感謝して、
ご先祖さまたちに恥ずかしくないように
「しっかりせんといかんなあ。」
というような気持ちでしょうか。
そこまで考えられれば、
多少のことではくじけない精神力は
自然と出てくるのかもしれません。
少なくとも、
「この世の中は、今だけ、
自分だけよければ、それでよい。」
という感覚の人よりは
強い気持ちが持てるように思います。
少し、いつもとは違うテイストの
ブログになりました。
全然、興味が無ければ、
読み飛ばしてくださいね。
ムッシュスカラー
PS:自分自身、若い時には、歴史というものを軽視していました。今、それを反省しているところです。歴史を知ることは本当に大切なことだと思います。
PPS:今では、自分の歴史、自分の国の歴史、それを知らないというのは致命的なことなのかなと思うようになりました。極論かもしれませんが、歴史を失った国というのは、滅亡するしかないというのが、世界史の法則のようです。これは人も同じことです。自分の歴史を失った人というのは、生きていくのがつらくなるのかもしれませんね。