
会社近くの洋風建築です。
前回,4%で64%をカバーする
指導法というお話をしましたが,
これは教育をする対象(相手)に対しても
適用できる考え方ですね。
地方の営業所に勤務していたころ
その営業所内に勉強会を
立ち上げたことがありました。
当時の自分としては
いろいろと工夫をして
営業所のみなさんに
何とか興味を持ってもらえるように
かなり頑張ったつもりでした。
でも,結果的に
ほとんど成果は出ませんでした。
まあ,空回りという感じでしたね。
ほとんど成果なし,空回りでした
その時に,当時,
お世話になっていた
社外の先輩に相談したら
「それは,君と一緒に
仕事をしている人たちが
きっと,あんまり勉強が
好きじゃないんだろうね。
だって,君のように
好奇心旺盛で,勉強するのが好き
もっとレベルアップしたい,
みんなで協力してやっていきたい,
そんなこと考えている人は
あんまり多くないんだろうね。
みんなに,君と同じことを
求めても,それは無理かな?
勘違いしてはいけないこと
ただ,勘違いしてはいけないのは
勉強が好きでない人が
ダメな人間ということではないよ。
そういう人は勉強以外の
何か他のことが,たぶん
ものすごくできるはずだよ。
そうじゃないと,その仕事で
食べていけないでしょ。
勉強が好きな人が良い人で,
そうじゃない人はダメな人,
そんな話ではないよ。
どっちがえらいとかではなくて
みんなそれなりの良さがあり
みんなそれなりの悪さもある,
みんな違う人間ということだよ。」
みんな違う,一人として同じではない
というアドバイスを
もらったことがあります。
でも,当時の自分はまだまだ若くて
全然理解できなくて,
「ええっ?どうして?
それはそうかもしれないけど
やれば成果が出るとわかっているのに
なんで,みんなやらないの?」
そんなことを考えてましたね。
みんな違うんだよと
言われているにも関わらずです。
「何とか,他の人にもわかってもらいたい。
そして,みんなでやっていきたい。」
そんなことばかり,ずっと
考えていた時代がありました。
その先輩が言われていたことが
今ごろになって,
いろいろなことを学んでみて
ようやくわかってきました。
そもそも,
みんなが同じようにやれる,
全員が同じように,同じレベルで
同じ何かに取り組むことができる
それこそが幻想なんだと
いうことなんですよね。
ようやく,それが,
わかってきました。
みんなが同じというのは幻想
100人を講義室に集めて
その100人に向けて,
どんなに素晴らしい講義をしたとしても
100人全員に同じようには伝わらない,
100人全員が同じようには理解してくれない,
それは自分が悪いわけでもなく
聞いている人たちが悪いわけでもなく
ごくごく自然なことなんですね。
当たり前ということです。
で,100人いたら,そのうち20人は
こっちがそんなに頑張らなくても
講義を少し聞くだけで
多くのことを理解して,
すぐに実践してくれるようになる。
一方で,残りの8割の人は
どんなに話を聞いても
どんなにすすめられても
決して行動は起こさない。
そういうのが社会であり
自然界,人間の世界の
ごくごく普通の姿なんですね。
みんな違うのが自然な姿
だから,どんなに素晴らしい
世界一と言われるような
講演者であっても,
全員に同じように高いレベルで
話を理解させるというのは,
おそらく無理なんだろうと思います。
じゃあ,どうするか?
問題はそこですよね。
その組織全体として
パフォーマンスをアップしたいなら,
「全員でやる!」
この発想自体を無くすこと,
それが大切なのかもしれません。
もちろん,最低限のレベル,
本当にこのレベルを切るようなら
社会人として落第,
法律にも抵触してしまう
そういうレベル以上には全員が
到達してもらう必要があります。
しかし,そこから上のレベルは
全員には必要ではないのかもしれません。
高いレベルの指導は全員には必要ない
すべての人に100点を求めるよりも
上位2割の人だけに特化して
その人たちには60点ではなく
100点満点を目指してもらう
そのために,密度の濃い,
ハイレベルの教育をしていく。
そういうやり方は
有りだろうと思います。
でも,そういう意見を出すと,
必ずと言っていいほど
「そんなことをしたらメンバー間に
レベルの較差ができてしまう
もっと平等でないとダメ!」
というような反対論に出くわします。
そんな意見を言われる人,
あなたのまわりにはいませんか?
でも,落ち着いて考えれば
そもそも,人間は全員が違うのですから
「全員がまったく同じであるべきだ
能力の較差を無くせ!」
という発想自体に無理があります。
全員が同じであるべきという発想自体に無理がある
パレートの法則が成り立つのは
みんなが同じじゃないからです。
だから,2対8に分かれるのが
おそらく自然なんでしょうね。
それなら全体を冷静にみて
2割の人に集中的に
教育をすればいいわけです。
そうすることで
組織全体のパフォーマンスは
急速に上昇するはずです。
じゃあ,残りの8割の人はどうなる?
そう思ったあなた!
そのとおりです。
それはごもっともな意見です。
私もそう思いました。
でも,2対8というのは
あくまで,一つの切り口でみた場合です。
それ以外の切り口でみれば
別のメンバーが上位2割になり
それまで上位2割だった人が
残りの8割にはいったりします。
2対8は切り口によってメンバーが変わる
おそらく,すべての面で
常に上位2割にはいる,
そんなスーパーマンみたいな人は
この世の中にはいないということです。
みんな得意分野があれば
必ず不得意分野がある。
もし,あなたがその分野で
上位2割に入れる気がしないなら
あるいは,全然やる気になれないなら
あなたの活躍できる場所は
そこではなくて,別のどこかにある
そういうことだと思います。
なので,不本意だと言いながら
その場所にいやーな気持ちで
ずっと居続けるよりも
さっさと別の自分の居場所を
探した方が幸せかもしれませんね。
ということで,今日は短めに
と書き始めたのですが
気が付いたら随分長くなってしまいました。
20対80の法則,前回の続きでした。
ムッシュスカラー
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