超意地悪な状況

「こんな意地悪な状況を、よく考えられたものだ。
みんな、本当は、着陸をしたくないんじゃないか?」
そう思えるほど、チームのメンバーは
ありとあらゆる意地悪な状況を想定していました。

これは、先日の「はやぶさ2」の
小惑星リュウグウへの2回目の
着陸成功の時の記者会見での言葉です。
たしかプロジェクトマネージャーが
お話しされていたことだったと思います。
(細かい表現は正確ではないかもしれません)

ここだけ切り取ると
何のことかわかりません。
でも、これには、あなたの仕事にも
ものすごく役に立つことが含まれています。

つまり、2回目の着陸の際に想定される
いろいろな意地悪な状況、
つまり、過酷で、最悪で
ミッション継続が難しいような状況ですね。
それを、一つ残らず、チームで、
みんなで考えて、出し切ったということです。
そして、どんな最悪の状況になっても
確実に対応ができるようにシミュレーションを
実施したということです。

チームのみんなで、最悪の状況を想定した

会見の中の「意地悪な状況」というのは
「そんなことはまず99%起きないだろう!」
「そんな悪条件が重なるはずがない!」
「それは、あまりに考え過ぎだよ!」
普通ならそう言って、笑い飛ばして終わりにする、
そういうような状況だろうと思います。

もちろん、そのディスカッションの
詳細までは公開されていません。
なので、推測するしかないわけですが、
ネットの記事でみると
「度を超えた自己批判精神」
というような言葉が見られます。

自分たちのプランというものを
徹底的に自己批判して、
どんな悪い状況におちいった場合でも
確実にリカバリーができるように、
リスクマネジメントを行ったということですね。

自己批判によるリスクマネジメント

おそらく、あなたの仕事でも、
似たような状況がありますよね。
たとえば、以下のような時です。

これから新製品の発売をする時、
これまで非公開だった新しい情報を公開する時、
会社に対してのネガティブな情報に対して対応する時、

こういうケースに対して
今回の「はやぶさ2」のプロジェクトのように
ありとあらゆるリスクを想定して
「そこまでは考える必要はないだろう」
と言われるぐらいの準備、シミュレーションは
行われているでしょうか?

悲観的に準備して楽観的に行動する

こういうリスクマネジメントの方法について
「悲観的に準備をして楽観的に行動する」
というような言い方がされます。

考えられる最低、最悪の状況を想定して
それに対応できる入念な準備をする。
そこまでやっておけは、
実際の実行の時には、
「これだけ準備したのだから、
どんなことが起きても大丈夫」
というような心の状態になります。

これは、精神衛生上も良いことですし
実際、「はやぶさ2」のような成功が得られます。

楽観的に準備して悲観的対応に追われる

ただ、実際には、ほとんどの場合は逆です。
「楽観的に準備して悲観的な対応に追われる。」
つまり、
「まあ、そんなことは起きるはずがないですよ。
大丈夫、大丈夫、心配ないですよ。」
といって、十分な準備をしない、
要は、準備を怠るということです。

そして、結果的に、想定外の事態が発生して
「どうしたらいいんだよ。こんなことになるなんて。」
と言って、悲観的な対応に追われるということです。

想定外というと、何か避けようのないこと、
全く考えられないことと思われがちです。
でも、実際には、そうではありません。
想定をしなかっただけです。

想定外も想定できる

やろうと思えば、最低、最悪の場面を、
本当は想定できたはずです。
ただ、めんどうだからやらなかった、
つまりは、準備を怠ったということです。

自分の胸に手を当てて考えると
思い当たることがいっぱいありませんか?
私は、そんなことばっかりです。
思い出すたびに、本当に胸が痛みますよね。
今でも、後悔することがいっぱいです。

これと矛盾するような話として、
引き寄せの法則というのがありますね。
良いことを考えれば、
良いことを引き寄せられるという法則です。

実際、物事を楽観的に考えることは
それは何も悪いことではありません。
「最後は成功できる。自分はやれる!」
こう考えるのは、悪くはありません。

引き寄せの法則と矛盾はしないが…

ただ、これはやるべきことを
しっかりやった時に言えることです。
しっかりと行動したという
大前提がなくてはなりません。

成功までの過程において
いろんなことを乗り越えていく時には
最低、最悪、究極の悪条件を想定して
その場合の対応まで考えておく必要があります。

実際に書き出してみるといいですよね。
そうすると、不思議と気持ちが落ち着いてきます。

「そうか、最悪の場合には、ここまでいくか?」
「その場合には、ここまでの損害になる。」
「それでやっていけるか?生活は出来るのか?」

そのあたりまで考えると腹も決まりますよね。
対処方法もわかってくると思います。
頭の中で考えるのではなくて
紙に書き出すのがポイントです。

紙に書き出すのがポイントです。

ということで、冒頭の「はやぶさ2」の話は
参考になりましたか?
ぜひ、あなたも、準備の段階では
本当に意地悪だと言われそうな、
最低、最悪の状況まで考えてみてください。

その意地悪な状況に対して
しっかりと準備することで
超楽観的に行動できるようになります。
そうなるといいですね。

 

ムッシュスカラー

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