「目一杯頑張ることと
無理をすることの違いを
教えてください。」
まだ,とても若かったころ
自分の人生のお師匠さんとして
とっても尊敬していた人に
こういう質問をしたことがありました。
当時の自分はやるとなったら
何が何でもやるという感じで
ついつい頑張りすぎて
体調を崩してしまうくらい
頑張ってしまうことが多かったのですね。
で,そんななかで
「頑張りと無理はどう違う?」
何か明解な違いがあるはずだ,
と真剣に思っていました。
「頑張りと無理はどう違う?」
そのお師匠さんの回答は
とってもシンプルでした。
「それは,君,無理は無理だよ。
そして,頑張りは頑張りだよ。
それだけだね,理屈も何もないよ。」
で,それで終わりでした。
「へえ,それだけですか?
何か,こう,もっとわかりやすい
正解みたいなものはないですか?」
というのが正直な気持ちでした。
これじゃあ,何も解決しない,
何かパッと雲が晴れるように
わかるんじゃないかと
期待していたのですが,
完全に期待外れでした。
完全に期待外れ,でもそれが正解だった
でも,結局のところ,
それこそが大正解だったのですよね。
当時の自分は,いろいろなことには
常に,いつも正解というのがあって
誰でもがはっきりとわかるような
数字であらわせるような
そんな正解が必ずあるはずだ,
ただ,自分が知らないだけだ
そんなことを思っていました。
でも,現実の世界は,
そんな単純ではなくて
みんなに共通の正解は無い,
正解は自分で考えること。
それが無理なのか?
それが頑張りなのか?
そんなことに正解は無い。
そもそも正解自体が無い
たぶん,そんなことだったのかなと
今では理解しています。
でも,この,
頑張りと無理の境界というのは
実社会でも結構難しいですよね。
ついつい誰かに教えてほしいと
思ってしまいますよね。
たとえば,
プロ野球の優秀な新人投手が
試合で投げ込みすぎて
1年ももたない間に故障してしまって
それで野球人生を棒に振る
なんてことはしょっちゅうあります。
また,
オリンピック候補選手などでも
練習のやり過ぎで,体調を崩して
それで本番の五輪に出場できなくて,
選手生命自体がだめになってしまう,
そういうこともよくあります。
そのレベルの選手でさえそうですから,
普通の我々にとっては
無理と頑張りの境界を
自分でしっかりと意識して
最高のパフォーマンスを実現するのは
とっても難しいのかもしれません。
自分を少し引いたところから冷静に見る
でも,だからこそ,
自分というものを
少し引いたところから
冷静に見つめるということは
大切なのでしょうね。
一生懸命になるのはいいですが
自分というものを見失ってはいけない
自分の身体,精神,その状態については
自分でしっかりと管理しないといけない,
自己管理というのは重要です。
自己責任という言葉は
最近では,あまり良い意味で
使われないことが多いですが,
やっぱりどこまでいっても自己責任です。
自分の人生の成功について
誰かに責任を持ってもらいたい
そう思うのも人間のさがというか
それが人間の弱さらしいですが
それでは,何も達成はできないそうです。
他責ではなく自責ですね
最近では何でも,
他人のせいにする人
自分のせいではないという人
多いみたいですね。
無理と決めるのも自分,
頑張りだと決めるのも自分,
最後はそうなるようです。
すべては自己責任ですね。
あらためて心していきたいと思います。
ムッシュスカラー
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