前回は、
「私に出来たのだから、あなたも出来るはず」
というのはちょっと違うよね。
というお話でしたね。
でも、この言葉も、
それを話す人によっては、
かなりニュアンスが違ってきます。
たとえば、
ものすごく、苦手なことがあって
ものすごく、たくさん失敗して
ものすごく、たくさん苦労して
そして、それをなんとか乗り越えてきた人
そういう人の言葉であれば、
すこし言葉の意味が違ってきますね。
口に出す人によって言葉の意味は変わる
「私にも出来たから、あなたにも出来る。」
この言葉の意味が、
「私は、本当に失敗ばかりしてきた。
そんな、不器用な私でも出来たことだ。
だから、私の多くの経験から考えて、
こんなふうにやれば、
あなたなら、きっと出来る。」
というような意味になります。
今、自分がやろうとしていることについて、
その人は、自分と同じように全く出来なかった。
でも、その人は、その難しいことを
いろいろな試行錯誤をして
がんばって出来るようにした、
そんな人の話なら
「おお、それなら私でも出来るかもしれない」
すなおに、そう思えるんじゃないでしょうか?
人に何かを教えようとする時に、
最初から苦労しないで出来たようなことは
教えようがありませんね。
最初から出来ることは教えられない
たとえば、人前に出ても全く緊張しない人に
「どうやったら、人前に出ても緊張しないでしょうか?」
って尋ねても、答えはないのと同じです。
答えがない理由は、簡単ですよね。
それは、経験がないからです。
最初から出来てしまうことについては
一度も失敗の経験がありません。
出来たという経験しかないので、
出来ないということが、
理解できないからですよね。
なので、
「私は、不器用だなあ。」
「マスターするのにものすごく時間がかかるなあ。」
「なんで、こんなにうまくいかないんだろう。」
もし、あなたが、そんなことを考えているなら
あなたは、その困っていることについて、
将来、指導者になれる条件を、
もっているということです。
指導者の条件を持っている
そして、それを乗り越えていって
出来ないことを何とか出来るようにしたら
それはものすごく大きな経験となって、
指導者としての大きな財産になります。
ものすごくよい指導者になれる可能性が
大きいということです。
なんといっても、出来ない人の気持ちがわかる、
それが強みになるからですね。
そんなあなたなら、
「こんな私でも出来たんだから、
あなたにも出来ますよ。」
と言っても大丈夫ですね。
いろいろな自分の失敗談を交えながら
たくさんの自分の経験をもとにして、
自分と同じように悩んでいる多くの人を
指導することが出来ると思います。
今の時代に必要な指導方法
そういう本当に個別に考えられた
指導、コンサルティング、コーチング
こういうものが、今の時代、
必要とされているのだと思います。
ということで、今日は、
失敗の経験が多い人ほど、
また、不器用な人ほど、
良い指導者になれる可能性が大きい
というお話でした。
ムッシュスカラー