かなり以前の話です。
たぶん、チェーン店の居酒屋だったと思います。アルバイトとおぼしき若い店員さんが、こちらが、何か注文するたびに、
「ビール二つですね。はい、よろこんで。」
「焼き鳥ですね。はい、よろこんで。」
「追加ですね。はい、よろこんで。」
というように、どんな注文をもらっても、確認するときの最後に「はい、よろこんで」と、つけていたことを、思い出しました。
でも、この時の店員さんは、マニュアルで言わなければならないから言っているというのが見え見えで、言葉がちょっとぎこちないうえに、さらにものすごく大きな声で言っていたので、何か妙な感じでした。その「はい、よろこんで」という言葉が、こちらの方には、すっと入ってこなくて、もやもやっとした感じでした。それで、接し方に困った記憶があります。
言わないといけないから言っているだけ
「はい、よろこんで。」って言っているけど、「全然、喜んでないやん。」というのが、その時に感じたことでしたね。本当に何か違和感がありました。
で、なぜ、こんなことを思い出したかというと、最近、仕事について、「喜んでやってないよなあ」と、感じていたからです。自分の中にもそういう違和感が少し出てきていたような気がしています。
基本的に、仕事はそんなに楽しいものではないと思います。もちろん、仕事が楽しくて楽しくて仕方がない、そんな方も、時にはいらっしゃいます。そういう方々は本当にすばらしいなあ、お幸せだなあと思います。毎日が、充実していて、それで、なおかつ、お金が入ってくる、これ程、素晴らしい事はないですよね。
仕事は楽しくないことが多い
でも、ほとんどの人は、生活をするために仕事をしています。いやいやであっても、やらなくては食べていけません。だから、仕方なく仕事をしている人の方がおそらく多いと思います。
あなたはいかがですか?もちろん、これも、オールオアナッシングではありません。同じ人であっても、ものすごく仕事が楽しい時もあれば、嫌で嫌で仕方がない時があります。楽しい時とそうでない時が交互にやってくる、ほとんどの方はそんな感じでしょうね。好きな仕事でも、その中に嫌なことはいくらでもありますしね。
で、今日、お薦めするのは、形だけではなく、本心から、「はい、よろこんで」と、仕事をしていくことです。嫌な時も、気持ちを切り替えて、「はい、よろこんで」と、仕事をしていくことです。
形だけでなく本心から喜んでやっていく
営業の経験がある方なら、あたりまえのように、仕事としてやっていたことかもしれませんね。少なくとも、外からみて、「この人、嫌々仕事をしている」と感じられるようでは売れませんよね。冒頭のアルバイト店員さんのレベルでは駄目です。本当に心から「はい、よろこんで」と、仕事に取り組んでいけるといいですよね。少なくとも、目の前の人に、良い印象を与えないと営業というのは成り立ちません。誰でも、嫌々営業をしている人から買おうとは思いません。
私の場合、今の仕事では、顧客と接するのはほとんどが電話です。なので、電話をうけるときは、電話がつながった時の、第一声から気をつけています。特に電話では、最初の数秒が勝負です。その声の雰囲気で、顧客は、電話の相手について、好きか嫌いかを瞬時に判断します。これは理屈ではありません。瞬間に働く感情です。
電話をした方の人の感情は、電話を受けた人の感情に影響されますよね。喜んで電話を受けている人の感情は、それが、確実に電話をかけている人にも伝わります。あなたが、顧客として、自分が使っている製品のコールセンターに電話したら、その人がよろこんで仕事をしているのかどうか、すぐにわかると思いますよ。
電話を受けた人の感情に影響される
これは仕事だけではないですよね。日常のあなたがいろんなことを喜んでやっているのかそうでないのか、見ている人はすぐにわかるということです。なら、どうしたらいいのか?やるべきことはシンプルです。
そうですよね。仕事だけでなく、なんでも「喜んでやる」ということです。形だけでなく心からです。これは、とてもシンプルな話ですが、実行するのは本当に難しいです。やっていることが、うまくいっていれば、だれでも出来ることです。しかし、いったんうまくいかなくなった時に、よろこんでやっていけるかというと、なかなか難しいです。
シンプル、単純なことでも、難しいことはいろいろとあります。その代表格が、この「なんでも喜んでやる」ではないでしょうか?逆に、どんなにうまくいっていなくても喜んでやれることがあるなら、それはあなたにとって、ものすごく大切な強みなのかもしれないですね。どんどん伸ばしていくといいかもしれませんね。
ということで、今日は「何でも喜んでやっていく」そんなお話でした。
ムッシュスカラー